体積はなぜ底面積×高さで求められるのか
ここに直方体があります。

直方体の体積は「たて×よこ×高さ」で求められます。
このうち「たて×よこ」は、底の面の面積、つまり底面積です。
だから「たて×よこ×高さ」は「底面積×高さ」と言いかえることができます。
ここでは、なぜこの言いかえができるのか、その意味を少し掘り下げてみます。
直方体は「同じ底面」を高さ分だけ積み重ねたもの
この直方体を、高さの方向に薄く切り分けたと考えてみます。
切り分けた1枚は、底面と同じ形をした薄い板になります。
板の位置は上へずれていきますが、形と大きさはどの高さでも同じです。
底面とまったく同じ面が、上までずっと続いています。
今度は逆に、その薄い板を積み上げていくと考えてみます。
底面と同じ形の板を、下から上へ高さの分だけ重ねると、もとの直方体にもどります。
板が1枚増えるごとに、増える量はその板の底面積です。
これを高さの分だけ重ねるので、全部の量は「底面積」を「高さ」の回数だけ足したことになります。
同じ数を何回も足す計算は、かけ算で書けます。
だから体積は「底面積×高さ」になります。
底面積は「底面の横幅×奥行」で求められる面積です。
その同じ面積が、下から上まで変わらずに積み上がっている、と整理できます。
底面の形が変わっても同じルールが使える
このしくみは、直方体だけのものではありません。
底面がどんな形でも、その面が高さの分だけまっすぐ積み重なっている立体なら、同じ考え方が使えます。
たとえば底面が三角形なら三角柱、底面が円なら円柱です。

どちらも「底面を高さ分だけ積み重ねたもの」という点は、直方体と変わりません。
変わっているのは底面の形だけです。
なので三角柱も円柱も、体積は「底面積×高さ」で求められます。
底面積の求め方は形ごとに違いますが、それを高さ分だけ積み上げる部分は共通しています。
ポイント
- 直方体の「たて×よこ」は底面積なので、体積は「底面積×高さ」と言いかえられます。
- 体積は「底面と同じ面を、高さの分だけ積み重ねた量」と考えられます。
- 三角柱でも円柱でも、底面をまっすぐ積み重ねた立体なら同じ式が使えます。
表面積を考えるときは展開図を見る
立体のまわりの面積を表面積といいます。
これを求めるときは、立体を平らに開いた展開図で考えると分かりやすくなります。
円錐の場合、開いた形が少し変わっています。

円錐は、底面の円と、そこから頂点まで続く側面でできています。
頂点から底面のふちまでをまっすぐ結んだ線を、母線(ぼせん)といいます。
この側面を切って平らに開くと、円の一部を切り取ったような形になります。
これが扇形です。
ここで大事なのは、扇形の外側の曲がった辺、つまり弧の長さです。
この弧は、もともと底面の円のまわりにくっついていた部分です。
開く前と開いた後で、長さは変わりません。
だから「扇形の弧の長さ」と「底面の円周」は、ぴったり同じになります。
この関係が分かると、円錐の側面積を求めるときの手がかりになります。
側面は半径が母線の長さの扇形で、その弧の長さが底面の円周に等しい。
この対応を使って計算を進めていきます。
まとめ
体積の式「底面積×高さ」は、底面と同じ面を高さの分だけ積み重ねた量を表しています。
直方体の「たて×よこ×高さ」も、「たて×よこ」を底面積と見れば同じ式です。
同じ数を高さの回数だけ足すからかけ算になる、と考えると公式の形に納得できます。
底面の形が三角形でも円でも、まっすぐ積み重なっている立体なら同じ式が使えます。
表面積では見方が変わり、立体を開いた展開図で考えます。
円錐の側面は扇形になり、その弧の長さが底面の円周と同じになる、という対応がポイントでした。
体積は「積み重ね」、表面積は「開いて平らにする」。
考え方を分けておくと、整理しやすいかもしれません。