ベン図を使うと集合算の「重なり」が整理できる
あるクラス40人に、犬を飼っている人と猫を飼っている人が何人いるかを聞きました。
犬を飼っている人は18人、猫を飼っている人は15人です。犬の人数と猫の人数だから、つい18+15=33人と合わせたくなります。
でも、犬も猫も両方飼っている人は、犬のほうにも猫のほうにも数えられてしまいます。ただ足すだけでいいのか、少し引っかかります。
こういう「そのまま足すとうまくいかない」場面で役に立つのが、ベン図という整理のしかたです(こうした問題は、中学受験では集合算と呼ばれます)。
ベン図は何を表している図なのか

ベン図は、2つの円を少し重ねて描いた図です。今回は青い円が犬を飼っている人(グループA)、赤い円が猫を飼っている人(グループB)を表します。
この図で見ると、人が入る場所が4つに分かれます。
- 犬(グループA)だけ:犬だけを飼っている人
- 両方:犬も猫も飼っている人(円が重なった部分)
- 猫(グループB)だけ:猫だけを飼っている人
- どちらにも入らない:犬も猫も飼っていない人(円の外側)
2つの円をただ並べず、わざと重ねて描くのは、「両方に当てはまる人」の場所を作るためです。
この重なりの部分が、集合算でいちばん大事なところになります。ベン図そのものは、線分図・面積図とあわせて整理した記事でも取り上げています。
ただ足すと「両方の人」を2回数えてしまう

さきほどの40人のクラスで、犬を飼っている人が18人、猫を飼っている人が15人、その両方を飼っている人が6人だったとします。
犬の18人と猫の15人をそのまま足すと、18+15=33人です。
ところが、両方を飼っている6人は、犬を飼っている18人の中にも、猫を飼っている15人の中にも入っています。
18と15を足すと、この6人を2回数えていることになります。33人には、その6人がもう1回分入っているのです。
だから重なりを1回だけ引く
2回数えてしまった6人を、1回分だけ減らせば正しくなります。
18+15-6=27人
この27人が、犬か猫の少なくともどちらかを飼っている人の数です。ベン図の場所ごとに数えても確かめられます。
犬だけは18-6=12人、猫だけは15-6=9人なので、12+6+9=27人。ちゃんと同じ答えになります。
「どちらにも入らない」を求める考え方
少なくともどちらかを飼っている人が27人とわかれば、残りは犬も猫も飼っていない人です。
クラス全体は40人なので、全体から少なくとも片方の人を引きます。
40-27=13人
この13人が、2つの円のどちらにも入らない、枠の内側で円の外側にいる人です。
数えにくいときに全体から引いて数える考え方と同じで、外側の人を直接数えなくても、全体から引けば出せます。
「全体から、少なくとも片方の人を引くと、どちらにも入らない人が出る」という関係も、ベン図の場所として見えてきます。
ポイント
- 2つの人数をそのまま足すと、両方に当てはまる人を2回数えてしまいます。だから重なりの分を1回引きます(少なくとも片方=A+B-両方)。
- 全体から「少なくとも片方」を引くと、どちらにも入らない人が出ます(どちらにも入らない=全体-少なくとも片方)。
練習問題
【練習問題】①
30人のクラスで、算数が好きな人が20人、国語が好きな人が14人、その両方が好きな人が7人います。算数か国語の少なくともどちらかが好きな人は何人ですか。
タップで答えを見る
答え:27人
20+14=34ですが、両方好きな7人を算数の中でも国語の中でも数えていて、2回数えています。7を1回だけ引いて、34-7=27人になります。
【練習問題】②
①と同じクラスで、算数も国語もどちらも好きではない人は何人ですか。
タップで答えを見る
答え:3人
少なくともどちらかが好きな人は27人でした。クラス全体は30人なので、30-27=3人が、どちらの円にも入らない外側の人にあたります。
【練習問題】③
35人のクラスで、犬が好きな人が22人、猫が好きな人が18人います。どちらも好きではない人は5人でした。犬も猫も両方好きな人は何人ですか。
タップで答えを見る
答え:10人
どちらも好きではない人が5人なので、少なくともどちらかが好きな人は35-5=30人です。犬22+猫18=40は、両方好きな人を2回数えた数なので、40から30を引いた40-30=10人が、重なり(両方好きな人)になります。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
40人のクラスで、サッカー・水泳・ピアノの3つの習いごとについて調べました。
サッカーをしている人は20人、水泳は15人、ピアノは12人です。
サッカーと水泳の両方をしている人は6人、水泳とピアノの両方は4人、サッカーとピアノの両方は5人で、3つ全部をしている人は2人でした。(「両方」の人数には、3つ全部をしている人もふくみます)
下の図は、この3つのグループをベン図で表したものです。
(1) サッカーだけをしている人は何人ですか。
(2) 3つの習いごとのどれもしていない人は何人ですか。

タップで答えを見る
答え:(1) 11人 (2) 6人
最初に見るのは、3つの円がすべて重なる真ん中の場所です。ここに入るのは、3つ全部をしている2人です。
次に、2つの円だけが重なる場所を出します。サッカーと水泳の両方の6人には、真ん中の2人がふくまれています。そのため、サッカーと水泳だけをしている人は6-2=4人です。同じように、水泳とピアノだけは4-2=2人、サッカーとピアノだけは5-2=3人になります。
(1) サッカーの円の20人には、サッカーと水泳だけの4人、サッカーとピアノだけの3人、真ん中の2人が入っています。これを引いて、20-4-3-2=11人がサッカーだけの人です。
(2) 同じように、水泳だけは15-4-2-2=7人、ピアノだけは12-3-2-2=5人です。円の中にある7つの場所を全部足すと、11+7+5+4+2+3+2=34人になります。クラスは40人なので、40-34=6人が、どの円にも入らない外側の人です。

内側の場所から順に人数を決めていくと、1人の人が入る場所は8つのうち1つだけになります。「両方」の人数をそのまま何度も引くと、真ん中の2人を引きすぎてしまいますが、先に真ん中を分けておけば、2回・3回と数えてしまうずれが起きません。
まとめ
集合算は、2つのグループを足したときに生まれる「重なりの二重数え」を、どう調整するかという問題でした。
ベン図で場所を4つに分けて考えると、どこを足して、どこを引けばいいかが目で見て分かります。
重なりを1回引くこと、そして全体から少なくとも片方を引くと外側が出ること。この2つがつかめれば、数が変わっても同じやり方で整理できます。