立体図形

段差のある水そうは、なぜ途中でグラフが折れるの?底面積とグラフの関係|小学生の算数【図形】

水そうの中に台を入れて、水を注いでみる

水そうの中に、四角い台がひとつ入っています。

たて20cm・よこ30cm・高さ30cmの水そうに高さ12cmの台が入り、上から毎分1200cm³の水を入れる見取り図

この水そうに、毎分1200cm³ずつ水を入れていきます。入れる速さは、最初から最後まで変えません。

ところが、水面が上がる速さのほうは途中で変わります。時間と深さをグラフにすると、その変わり目が折れ目になって現れます。

同じ量ずつ入れているのに、なぜ上がり方が変わるのでしょうか。水そうの底で起きていることを見ていきます。

時間と深さをグラフにすると、途中で折れる

横に時間、たてに水の深さをとって、グラフにしてみます。

時間と水の深さの折れ線グラフ。0分0cmから2分12cmまで急に上がり、そこから11分30cmまでゆるやかに上がる

はじめの2分で、深さは12cmまで上がっています。

そのあとは11分で30cmなので、9分かけて18cm上がったことになります。

前半は短い時間でぐんと上がり、後半はゆっくりです。1本の直線にはならず、2分のところで折れ曲がっています。

変わっていないもの、変わっているもの

このグラフで、変わっていないものがあります。

1分あたりに入る水の量です。前半も後半も毎分1200cm³で、じゃ口はいじっていません。

変わっているのは、水面が上がる速さのほうです。前半は1分に6cm、後半は1分に2cmしか上がっていません。

同じ量の水を入れているのに、水面の上がり方だけが変わっています。この差がどこから出てくるのかを、水そうの中で確かめます。

折れ目ができるのは、底面積が変わるところ

台の高さまでは、水の入る場所がせまい

まず、台の高さ12cmまでの水を見てみます。

正面と真上から見た図。深さ12cmまでは台のとなりの200cm²の部分にだけ水が入っている

水そうの底は、たて20cm、よこ30cmです。たて×よこで面積を出すと、20×30で600cm²になります。

ただ、この600cm²すべてに水が入るわけではありません。台がのっている20×20=400cm²の部分は、水の入る場所ではないからです。

残りは600-400で200cm²。台の高さまでのあいだ、水はこの200cm²の上だけにたまっていきます。

この記事では、その深さで水が実際に広がっている面の広さを「水の入る部分の底面積」と呼びます。台の高さまでは、それが200cm²です。

1分に入る水は1200cm³なので、1200÷200=6となり、水面は1分に6cm上がります。

12cmまで上がるのにかかる時間は、12÷6で2分。グラフの折れ目の位置と同じです。

台をこえると、水は広い面に広がる

水面が12cmになると、台の上面と同じ高さになります。

正面と真上から見た図。台をこえた水は底面全体の600cm²に広がっている

ここから先の水は、台の上にものっていきます。真上から見ると、水は底面全体に広がっています。

水の入る部分の底面積は、600cm²になりました。1200÷600=2なので、水面は1分に2cmしか上がりません。

30cmまではあと18cmあるので、18÷2で9分かかります。はじめの2分とあわせて11分。これもグラフの読み取りと合っています。

深さは「入れた水の量÷底面積」で決まる

前半と後半で何がちがったのかを、数で並べてみます。

時間と深さの折れ線グラフに、前半は毎分6cm、後半は毎分2cmと書き込んだもの

グラフに書き入れた毎分6cm・毎分2cmが、1分に上がる高さです。

水の入る部分の底面積が200cm²のとき、水面を1cm上げるのに必要な水は200cm³です。

600cm²のときは、同じ1cmでも600cm³いります。底面積×高さが体積になるので、面が広いほど、1cmぶんの水も多く必要になります。

入れる水の量が同じなら、受け止める面が広いほど、上がる高さは小さくなります。

つまり水面が上がる速さは、1分に入る水の量÷水の入る部分の底面積で決まっています。1200÷200=6、1200÷600=2という2つの数が、そのままグラフの2本の線の急さになっていました。

グラフの折れ目は、水の入る部分の底面積が変わった瞬間にできます。動く点が作る三角形の面積のグラフが折れるのも、途中で増え方が変わるからでした。形はちがっても、折れ目が「変わり目」を表している点は同じです。

ポイント

  • 水面が上がる速さは、1分に入る水の量÷水の入る部分の底面積で決まります。
  • 台があるあいだは水の入る面がせまいので、水面は速く上がります。
  • 台をこえると面が広がり、上がり方はゆるやかになります。
  • グラフの折れ目は、水の入る部分の底面積が変わったところにできます。

練習問題

【練習問題】①

底面積が300cm²の水そうに、毎分1500cm³の水を入れます。水面は1分に何cm上がりますか。

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答え:5cm

1500cm³の水を300cm²の面に広げるので、1500÷300=5になります。水面は1分に5cm上がります。

【練習問題】②

この記事の水そうで、水面が12cmから30cmになるまでに何分かかりますか。

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答え:9分

台をこえたあとは、水の入る部分の底面積が600cm²になります。1200÷600=2なので、水面は1分に2cm上がります。上がるのは30-12=18cmなので、18÷2=9分かかります。

【練習問題】③

下の図は、ある水そうに一定の速さで水を入れたときのグラフです。この水そうには、底に台が入っています。台の高さは何cmですか。

時間と深さの折れ線グラフ。0分0cmから3分15cmまで上がり、そこから8分30cmまでゆるやかに上がる

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答え:15cm

グラフの折れ目は、水が台をこえて、水の入る部分の底面積が広がったところにできます。

その深さは、ちょうど台の上面の高さです。折れ目が15cmのところにあるので、台の高さも15cmになります。

発展問題

ここでは、体積の考え方もあわせて使います。手数は増えますが、順番に出していけば答えにたどりつけます。

【発展問題】①

内側がたて20cm、よこ30cm、高さ30cmの水そうに、たて20cm、よこ20cm、高さ12cmの台が入っています。この水そうに毎分1200cm³の水を入れます。

(1) 台の体積は何cm³ですか。
(2) 深さ30cmまで水を入れるには、水が何cm³必要ですか。
(3) 深さ30cmになるまでに何分かかりますか。

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答え:(1) 4800cm³ (2) 13200cm³ (3) 11分

まず見るのは台の大きさです。台は直方体なので、底面積×高さで体積が出せます。台の底面積は20×20=400cm²、高さは12cmなので、400×12=4800cm³です。

次に水そうのほうを見ます。水そうの底面積は600cm²で高さは30cmなので、600×30=18000cm³ぶんの場所があります。ただし、そのうち4800cm³は台がふさいでいます。水が入れるのは18000-4800=13200cm³です。

あとは1分に1200cm³ずつなので、13200÷1200=11分になります。

台の体積を引くのは、台のある場所には水が入れないからです。本文のグラフでも、深さ30cmになるのは11分のところでした。水の入る部分の底面積から追っても、体積から追っても、同じ答えになります。

まとめ

一定の速さで水を入れているのに、時間と深さのグラフが途中で折れるのは、水を受け止める面の広さが変わるからでした。

台の高さまでは200cm²、台をこえてからは600cm²。同じ1200cm³でも、広い面に広げるほど深さの増え方は小さくなります。

水面が上がる速さは、1分に入る水の量÷水の入る部分の底面積で決まります。この式が分かっていれば、折れ目の前後で速さがちがう理由も、その速さの値も出せます。

逆に、グラフのほうから水そうの中を読むこともできます。この水そうでは、折れ目のある深さが、中に入っている台の高さです。グラフの折れ目は、水の入る面が変わったところを表しています。

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