比と割合

速さの比が3対2なら、時間の比は2対3?道のりが同じときの逆比のしくみ|小学生の算数【比と割合】

同じ道のりなら、速さと時間はセットで決まる

家から公園まで、1200mの道があります。

この道を分速60mで歩くと20分、分速80mで歩くと15分かかります。

速さが変われば、かかる時間も変わります。ここでは速さも時間も変わっていますが、進んだ道のりはどちらも1200mのままです。

この「道のりが同じ」という条件がつくと、速さと時間のあいだに決まった関係が出てきます。今回はその関係を見ていきます。

分速60mと分速80mで、かかる時間をくらべる

まず、それぞれ何分かかるのかを出します。

速さは1分あたりに進む道のりなので、かかる時間は道のりを速さでわると求められます。

分速60mなら、1200÷60=20分です。

分速80mなら、1200÷80=15分になります。

同じ1200mの帯を2本並べ、上は分速60mで20区切り、下は分速80mで15区切りにした線分図

 

上の帯は60mずつ20回、下の帯は80mずつ15回進んでいます。

1回に進む長さも回数もちがいますが、たどり着く場所は同じです。

変わったものと、変わらないもの

2つの進み方をならべて、何が動いたのかを整理します。

速さは60から80へ大きくなりました。

時間は20分から15分へ小さくなりました。

そして道のりは、どちらも1200mのままです。

変わっていないものが1つだけある、というところがこのあとの話の軸になります。

速さの比と時間の比を並べてみる

速さと時間を、それぞれ比の形にしてみます。ここで少し不思議なことが起きます。

3対4と4対3で、順番が入れかわっている

速さの比は60対80です。60も80も20でわれるので、簡単にすると3対4になります。

時間の比は20対15です。こちらは5でわれるので、4対3になります。

わる数はちがいますが、どちらも比の関係はそのままで、数を小さくしただけです。

速さ60対80を3対4に、時間20対15を4対3に直し、同じ数どうしをななめの線で結んだ図

 

3対4と4対3。同じ数字が、順番だけ入れかわって出てきました。

このように、2つの比の数が逆さまに入れかわる関係を逆比といいます。逆比そのもののしくみは別の記事で整理しています。

なぜ入れかわるのか

たまたま入れかわったわけではありません。理由は、速さと時間と道のりの関係にあります。

速さ×時間=道のりです。分速60mで20分歩けば、60×20=1200mになります。

これを長方形の面積として見てみます。

たて60よこ20の長方形とたて80よこ15の長方形を並べ、どちらもかけると道のりの1200mになることを示した面積図

 

たてが速さ、よこが時間、面積が道のりです。

2つの長方形は形がちがいますが、面積はどちらも1200で同じです。

たてを60から80へ大きくすると、面積を1200のままにするには、よこを短くするしかありません。

たてが3分の4倍になれば、よこは4分の3倍になります。この「片方が大きくなったぶん、もう片方が小さくなる」という動きが、比の入れかわりとして出てきます。

面積を一定に保ったまま、たてとよこが動く関係は、反比例で扱う形と同じものです。

速さの比が3対2のときも確かめる

別の数でも同じになるか、確かめてみます。

1800mの道を、分速90mで進む場合と分速60mで進む場合です。

速さの比は90対60で、30でわると3対2になります。

かかる時間は、1800÷90=20分と、1800÷60=30分です。

時間の比は20対30なので、10でわると2対3になります。

速さが3対2のとき、時間は2対3。ここでも数が入れかわりました。

ポイント

  • 道のりが同じとき、速さの比と時間の比は入れかわります。
  • 速さの比が3対4なら、時間の比は4対3になります。
  • 理由は、速さ×時間=道のりで、道のりが同じ数のままだからです。
  • 同じ道のりなら、速さを2倍にすると時間は半分になります。
  • この入れかわりを逆比といいます。

道のりがちがうときは、この関係になりません

逆比になるのは、道のりが同じときだけです。

たとえば、Aさんは1800mを分速90mで、Bさんは600mを分速60mで進むとします。

速さの比は90対60=3対2で、さっきと同じです。

でも時間は、Aさんが1800÷90=20分、Bさんが600÷60=10分になります。

時間の比は20対10=2対1で、2対3にはなりませんでした。

道のりがちがうと、速さの比だけでは時間の比は決まりません。「道のりが同じなら」という条件が、この関係を支えています。

練習問題

【練習問題】①

同じ道のりを、Aさんは分速50m、Bさんは分速75mで進みます。速さの比と時間の比は、それぞれ何対何ですか。

タップで答えを見る

答え:速さの比は2対3、時間の比は3対2

50対75は、どちらも25でわれるので2対3になります。道のりが同じなので、時間の比は速さの比を入れかえた3対2です。

【練習問題】②

同じ道を、行きは分速60m、帰りは分速40mで歩きました。行きに12分かかったとき、帰りは何分かかりますか。

タップで答えを見る

答え:18分

行きと帰りで道のりは同じです。速さの比は60対40=3対2なので、時間の比は2対3になります。行きの12分が2にあたるので、1にあたるのは6分です。帰りは3にあたるので、6×3=18分になります。

【練習問題】③

同じ道のりを進む2人がいます。速さの比は4対5で、速いほうの人は20分かかりました。おそいほうの人は何分かかりますか。

タップで答えを見る

答え:25分

速さの比が4対5なので、時間の比は5対4になります。速いほうの人は速さの5にあたるので、時間では4のほうにあたります。その20分が4にあたるので、20÷4=5分が1にあたる時間です。おそいほうの人は5にあたるので、5×5=25分になります。

発展問題

ここからは、時間の比に比を使った分け方の考え方を合わせた問題です。求めるものまでの手数が少し増えます。

【発展問題】①

同じ道のりを、歩くと分速60m、自転車だと分速90mで進みます。自転車だと、歩くより8分早く着きました。

(1) 歩いたときと自転車のときで、かかる時間の比は何対何ですか。

(2) この道のりは何mですか。

タップで答えを見る

答え:(1) 3対2 (2) 1440m

(1) 速さの比は60対90で、30でわると2対3です。道のりは同じなので、時間の比は入れかわって、歩いた時間と自転車の時間の比は3対2になります。

(2) 時間の比が3対2なので、その差は1にあたります。この1が8分です。歩いたときは3にあたるので8×3=24分、自転車は2にあたるので8×2=16分になります。道のりは、歩いたほうで計算すると60×24=1440mです。自転車のほうで計算しても90×16=1440mで、同じ答えになりました。

まとめ

1200mの道を分速60mと分速80mで進むと、かかる時間は20分と15分でした。

速さの比は3対4、時間の比は4対3で、数がそっくり入れかわっています。

入れかわる理由は、速さ×時間=道のりという形にありました。道のりが同じ数のままなら、速さを大きくしたぶん、時間は小さくならないと数が合いません。

この関係が使えるのは、道のりが同じときだけです。道のりがちがえば、速さの比から時間の比は決まりません。

同じ道のりを進む2人をくらべる問題では、片方の時間さえ分かれば、もう片方の時間も比から出せます。

関連記事

-比と割合