和差算と分配算を線分図で整理する
2つの数について、合わせた数(合計)と、そのちがい(差)だけが分かっている。
そんな問題は、数字をそのままにらんでいても、どちらがいくつなのかがなかなか決まりません。
ところが、2つの数を線分図にして線の長さに置きかえると、合計と差がそのまま長さになって、答えが見えてきます。
この線分図を使う代表的な文章題が、和差算と分配算です。順番に整理してみました。
和差算 ── 合計と差を線分図にする
まずは和差算からです。
大きい数と小さい数が2つあって、合わせると100、そのちがいは20と分かっているとします。
この2つを線の長さにして、左端をそろえて上下に並べてみます。

すると、大きい数の線が小さい数からはみ出します。このはみ出した部分が、ちがいの「差20」です。
大きい数は、小さい数と同じ長さの部分に、この差20を足したもの、という形になっています。
文章の中に散らばっていた合計と差が、線の上の長さとして同じ場所に並びます。
差をそろえると求められる
ここまで見えれば、あとは計算で求められます。
大きい数のはみ出した差20を取りのぞくと、2本はぴったり同じ長さになります。つまり、小さい数を2つ並べた形です。

このとき、合計も差の分だけ減るので、100−20=80です。
同じ長さが2本ぶんで80になっているので、80÷2=40が小さい数です。
大きい数は、それより20多いので、40+20=60です。
合計と差が分かっていれば、(合計−差)÷2で小さいほう、それに差を足して大きいほう、と求められます。
分配算 ── 倍の関係を線分図にする
次は分配算です。
今度は「差」ではなく、「片方がもう片方の何倍か」という倍の関係で分かっている問題です。
例えば、AとBを合わせると120で、AはBの3倍だとします。AがBの3倍ということは、Aの線はBの線を3つ並べた長さになります。

Bの長さを「1つ分」とすると、その3倍のAは「3つ分」です。
2つを合わせると、同じ長さのまとまりが全部で4つ分。これがちょうど合計の120にあたります。
まとまりで割れば求められる
まとまりの数が見えれば、あとは和差算と同じように計算できます。
同じ大きさのまとまりが4つ分で120なので、1つ分は120÷4=30です。

1つ分が30と分かれば、Bはそのまま30、Aはその3倍で30×3=90です。
倍の関係のときは、まとまりが全部でいくつ分になるかを数えて、合計をその数でわるのがこつです。
ポイント
線分図で和差算・分配算を解くこつ
- 2つの数を線の長さにして、左端をそろえて並べます。
- 和差算(合計と差)は、差をひいて2本をそろえ、(合計−差)÷2で小さいほうを求めます。
- 分配算(◯倍の関係)は、1つ分が全部でいくつ分かを数えて、合計をその数でわります。
- どちらも「同じ大きさのまとまり」を作ってから、わり算で1つ分を出すのが共通の流れです。
練習問題
【練習問題】①
赤い色紙と青い色紙が合わせて42枚あります。赤い色紙は青い色紙より6枚多いです。赤い色紙と青い色紙はそれぞれ何枚ですか?
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答え:赤は24枚、青は18枚です。
赤の線は青より6枚分だけ長くなります。この多い6枚を合計から取りのぞくと2本は同じ長さになり、42−6=36枚です。
36÷2=18枚が青い色紙で、赤はそれより6枚多い18+6=24枚です。
【練習問題】②
えん筆とボールペンが合わせて48本あります。えん筆の数はボールペンの数の3倍です。えん筆とボールペンはそれぞれ何本ですか?
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答え:えん筆は36本、ボールペンは12本です。
ボールペンを1つ分とすると、えん筆は3つ分なので、合わせて4つ分が48本です。
48÷4=12本が1つ分(ボールペン)で、えん筆はその3倍の12×3=36本です。
【練習問題】③
3本のリボンA・B・Cがあり、長さは合わせて90cmです。BはAの2倍、CはAの3倍の長さです。A・B・Cの長さはそれぞれ何cmですか?
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答え:Aは15cm、Bは30cm、Cは45cmです。
Aを1つ分とすると、Bは2つ分、Cは3つ分なので、合わせて6つ分が90cmです。
90÷6=15cmが1つ分(A)で、Bはその2倍の30cm、Cは3倍の45cmです。まとまりが増えても、合計を1つ分の個数でわる考え方は同じです。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
赤いテープと白いテープがあります。赤いテープは白いテープより12cm長く、赤いテープの長さは白いテープの3倍です。2本を合わせた長さは何cmですか?
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答え:24cmです。
この問題には合計が書かれていません。手がかりになるのは、同じ2本について「3倍」と「12cm長い」の2つが言われていることです。
白いテープを1つ分とすると、赤いテープは3つ分です。赤は白より2つ分だけ長いことになります。
その2つ分にあたるのが12cmなので、1つ分は12÷2=6cmです。
白いテープは6cm、赤いテープはその3倍で6×3=18cm、合わせて6+18=24cmになります。
合計が分からなくても、差がまとまりいくつ分にあたるかが見えれば、そこから1つ分を出せます。
【発展問題】②
A、B、Cの3人がお金を持っていて、3人合わせて1600円です。Bの持っている金額はAの2倍で、Cの金額はBより100円多いです。
(1) Cの金額から、Bより多い100円を取りのぞいて考えます。このとき3人の合計は何円になり、それはAのいくつ分にあたりますか?
(2) A、B、Cはそれぞれ何円持っていますか?
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答え:(1) 1500円で、Aの5つ分です。(2) Aは300円、Bは600円、Cは700円です。
(1)で見るのは「CはBより100円多い」のところです。この多い100円だけが、まとまりからはみ出した部分になっています。
Cから100円を取りのぞくと、CはBとちょうど同じ金額になります。合計もその分だけ減って、1600−100=1500円です。
このとき、Aは1つ分、Bは2つ分、Cも2つ分なので、全部で1+2+2=5つ分です。

はみ出しを先に取りのぞくのは、同じ大きさのまとまりだけにそろえてしまえば、わり算で1つ分が出せるからです。
(2)は、その5つ分が1500円なので、1つ分は1500÷5=300円です。
Aは1つ分で300円、Bはその2倍で600円、Cは600円より100円多い700円になります。
3人を合わせると300+600+700=1600円で、はじめの合計と合います。
まとめ
和差算も分配算も、文章のままでは数の関係がつかみにくい問題でした。
2つの数を線分図にして線の長さに置きかえると、合計と差、そして倍の関係が、そのまま長さのちがいや、まとまりの数として見えてきます。
やっていることは、どちらも「同じ大きさのまとまりを作って、わり算で1つ分を出す」という同じ流れです。
線分図を使うほかの文章題でも、この整理のしかたはくり返し出てきます。
線にすると、文章だけでは見えなかった関係が見えてきます。まずは問題文を読んだら、合計・差・倍のどれが手がかりになりそうかを考えて、線をかいてみてください。