同じ塗り分けでも、決める順番で手間が変わる
正三角形を、4つの小さな三角形に分けた形があります。

この4つを、青・赤・オレンジの3色から選んで塗り分けます。使わない色があってもかまいません。
ルールは1つだけで、となり合う所は同じ色にしません。
塗り方が全部で何通りあるのか、数えてみます。
どこから塗り始めるかは自由です。順番を変えても、出来上がる塗り方の数そのものは変わりません。変わるのは、数えるときの手間のほうです。
まん中は、外側の3つ全部ととなり合っている
4つの三角形のうち、まん中の1つだけ立場がちがいます。

赤くした3本が、辺を共有している所です。まん中は㋐とも㋑とも㋒とも辺でつながっています。
いっぽうで、外側の3つはおたがいに辺を共有していません。丸を付けた場所で、角が触れているだけです。
辺でつながっていなければ、同じ色にしてもルールには反しません。㋑と㋒を両方とも赤にすることもできます。
まん中だけが、外側の3つすべてと辺を共有しています。この形では、まん中がいちばん条件のきつい場所になります。となりに気をつける相手が多いほど、そこで選べる色は少なくなります。
外側から決めると、まん中に置ける色が変わる
まずは㋐㋑㋒のほうから塗ってみます。
外側の3つはたがいにとなり合っていないので、3色のどれを選んでもかまいません。3×3×3で27通りの塗り方があります。
ところが、そのあとでまん中を塗ろうとすると手が止まります。

外側で3色を全部使ってしまうと、まん中に置ける色は残りません。この塗り方は、そもそも完成しません。
外側が2色なら、使っていない1色をまん中に置けます。
外側が1色なら、残りは2色あるので、まん中の選び方は2通りです。
まん中に置ける色が0・1・2と変わるので、3つの場合に分けて数え直すことになります。それぞれを数えて足していけば答えは出ますが、道のりは長くなります。
しばりの強いところから決めると、数え方が1つで済む
まん中を先に決めれば、外側はどれも2通り
順番を逆にします。まん中から塗ります。

まん中は3色のどれでも置けるので、3通りです。ここでは青にしてみます。
まん中が青に決まると、㋐は青以外の2色、つまり赤かオレンジから選ぶことになります。㋑も㋒も同じで、それぞれ2通りです。
外側どうしはとなり合っていないので、おたがいの色を気にする必要はありません。
まん中の決め方1通りごとに㋐の決め方が2通りずつ枝分かれしていくので、かけ算でつないでいけます。
3×2×2×2で24通りです。場合分けは一度も出てきませんでした。
同じ形を同じルールで塗っているのに、外側から決めたときとは進み方がまるでちがいます。まん中はいちばん条件のきつい場所なので、そこを先に決めてしまうと、残りの選び方が同じ形にそろいます。
数字カードの問題でも、同じことをしている
この決め方は、塗り分けだけのものではありません。
0、1、2、3のカードから3枚を選んで3けたの整数を作るときにも、同じ順番の問題が出てきます。同じカードは2度使えません。
一の位や十の位から決めていくと、最後に残った1枚が0だったときに困ります。百の位に0は置けないので、そこでまた場合分けが必要になります。
0を置けないというしばりがあるのは百の位だけなので、そこから先に決めてしまうと引っかかりません。
条件がついている場所が1か所だけのときは、そこから決めます。塗り分けでまん中から決めるのも、中身は同じ考え方です。
ポイント
- 決める順番を変えても、塗り方の全部の数は変わりません。
- 変わるのは、場合分けが必要になるかどうかです。
- まん中は外側3つすべてととなり合っていて、いちばん条件がきつい場所です。
- 条件のきつい所を先に決めると、残りの選び方がそろって、かけ算でつなげます。
練習問題
【練習問題】①
下の図で、となり合う所は同じ色にしないというルールのまま、まん中を赤に決めました。外側の㋐㋑㋒の塗り方は全部で何通りですか。

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答え:8通り
㋐㋑㋒は、どれもまん中ととなり合っているので、赤以外の2色から選びます。外側どうしはとなり合っていないので、たがいの色は気にしなくてかまいません。2×2×2で8通りになります。
【練習問題】②
使える色を4色に増やすと、塗り方は全部で何通りになりますか。
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答え:108通り
まん中の選び方が4通りです。㋐㋑㋒は、それぞれまん中と同じ色をさければよいので3通りずつあります。4×3×3×3で108通りになります。色が増えても、まん中から決める形は変わりません。
【練習問題】③
0、1、2、3の4枚のカードから3枚を使って、3けたの整数を作ります。同じカードは2度使えません。どの位から先に決めると場合分けをしなくて済みますか。また、全部で何通りできますか。
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答え:百の位から決める/18通り
0を置けないというしばりがあるのは百の位だけなので、そこから決めます。百の位は0以外の3通り、十の位は残った3枚から3通り、一の位は残った2枚から2通りです。3×3×2で18通りになります。
発展問題
ここからは、この記事の中だけでは答えの出ない問題です。まん中のない形ではどうなるか、色を全部使うという条件がつくとどうなるかを見ていきます。
【発展問題】①
正方形を、同じ大きさの4つの正方形に分けます。となり合う所は同じ色にしないというルールで、3色から選んで塗ります。使わない色があってもかまいません。ななめに向かい合う2つは、点で接しているだけなので同じ色でかまいません。

(1)左上を赤に決めたとき、右上と左下の塗り方は何通りですか。
(2)全部で何通りありますか。
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答え:(1)4通り (2)18通り
(1)右上と左下は、どちらも左上ととなり合っているので、赤以外の2色から選びます。この2つはたがいに点で接しているだけなので、同じ色でもかまいません。2×2で4通りです。
(2)残った右下は、右上と左下の両方ととなり合っています。
右上と左下が同じ色になる組み合わせは2通りあり、そのときは右下に置ける色が2通り残るので、2×2で4通りです。ちがう色になる組み合わせも2通りあり、そのときは残る色が1つだけなので、2×1で2通りです。
合わせて6通りになり、左上の3通りをかけて3×6で18通りになります。
この形には、まん中のように3つ全部とつながっているマスがありません。どのマスも2つとしかとなり合っていないので、しばりの強さがどこも同じです。そのため、この問題では、どこから決めても、途中で場合分けが必要になります。数が合っているか心配なときは、樹形図で書き出して確かめられます。
【発展問題】②
下の図の形を、となり合う所は同じ色にしないというルールで塗ります。ただし今回は、青・赤・オレンジの3色を全部使います。使わない色があってはいけません。塗り方は全部で何通りですか。

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答え:18通り
この条件は、まん中から決めても、それだけでは最後まで数え切れません。3色を使い切れたかどうかは、4つとも塗り終わるまで分からないからです。
そこで、先に出した24通りから、あてはまらないものを取り除きます。全体から引いて残りを出すのは、集合算でベン図の外側を求めるときと同じやり方です。
となり合う2つの三角形は同じ色にできないので、1色だけでは塗れません。取り除くのは、2色で終わっている塗り方だけです。
まん中が青のとき、外側が3つとも赤か、3つともオレンジなら、使った色は青と赤、または青とオレンジの2色だけです。
この2通りが、まん中の3通りそれぞれにあるので、2色で終わる塗り方は3×2で6通りあります。
24から6を引いて18通りになります。
まとめ
同じ形を同じルールで塗っても、どこから決めるかで進み方が変わりました。
外側から決めると、まん中に置ける色が0・1・2と変わってしまい、3つの場合に分けて数え直すことになります。
まん中から決めると、外側はどれも2通りにそろって、3×2×2×2の24通りで終わります。
どちらのやり方も、数えているのは同じ塗り方です。だから、ていねいに数えれば答えはどちらも24通りになります。変わったのは数え方の手間だけでした。
数える順番に迷ったときは、いちばん条件のきつい所をさがしてみると近道になります。そこが決まると、残りが自然にそろっていきます。