三角形の形を変えずに大きくすると、何が変わって何が変わらないか
左に三角形ABCがあります。
この形を崩さないように気をつけながら、全体を大きくしてみます。
できあがった三角形を、右にDEFとして並べてみました。
2つを見比べると、大きさははっきり違うのに、形のほうはそろっています。
変わったのは大きさだけで、形そのものは変わっていません。
こうして、拡大や縮小をしてもぴったり同じ形になる図形どうしを、相似と呼びます。
相似と、このあと出てくる相似比は、もともと中学(中3)で習う言葉です。
小学校では同じ内容を「拡大図・縮図」として習います。
ここでは知っておくと少し得をする話として、気軽に見ていきます。

角の大きさは、大きくしても変わらない
2つの三角形の角を、分度器で測って比べてみます。
DEFは全体が大きくなっていますが、角の開き具合はABCと変わりません。
図で同じ印をつけた角どうし、角Aと角D、角Bと角E、角Cと角Fは、それぞれ同じ大きさになります。
形が同じというのは、角の開き方がそろっているということでもあります。
どれだけ大きくしても、3つの角はそのままです。

辺はどれも同じ比で伸びている ― この比を相似比と呼ぶ
次に、対応する辺の長さを測って比べてみます。
底辺の辺ABは6cm、辺DEは12cmで、ちょうど2倍です。
残りの辺も同じで、辺BCと辺EFは5cmと10cm、辺CAと辺FDは4cmと8cm。
どれも1:2の同じ比になっています。
一部の辺だけを伸ばすと形がゆがみますが、すべての辺を同じ比でそろえて伸ばすと、形を保ったまま大きさだけを変えられます。
このときの「どの辺にも共通する比」、ここでは1:2のことを相似比と呼びます。
相似比という呼び方は中学(中3)で習うものですが、やっていること自体は「何倍に拡大・縮小したか」という小学校の拡大図・縮図と同じです。
相似比が分かると、片方の三角形で測れない辺があっても、もう片方の辺から長さを計算で出せるようになります。

同じ形だと確かめる3つの条件
2つの三角形が相似かどうかは、次の3つの条件のうち、どれか1つを満たしていれば確かめられます。

1つ目は、3組の辺の比がすべて等しいときです。
図の上の段のように、辺ABとDE、辺BCとEF、辺CAとFDが、どれも同じ比(1:2)になっていれば、2つは相似です。
2つ目は、2組の辺の比と、その間の角がそれぞれ等しいときです。
中の段のように、角Cをはさむ2辺CAとCBがそれぞれ同じ比で、間の角Cと角Fが同じなら、三角形の形は1通りに決まります。
形が決まれば、残りの辺ABとDEも自然と同じ比になります。
3つ目は、2組の角がそれぞれ等しいときです。
三角形の内角の和は180度なので、下の段のように2つの角がそろえば、残りの1つも自動的に決まります。
3つの角がすべてそろうことで、形は必ず同じになります。
ポイント
- 相似な図形では、対応する角の大きさはすべて等しくなります。
- 対応する辺の長さはどれも同じ比(相似比)で変わります。今回は1:2です。
- 「3組の辺の比」「2組の辺の比とその間の角」「2組の角」のどれか1つがそろえば、確実に相似になります。
練習問題
【練習問題】①
2つの三角形は相似です。下の図で、㋐は何度ですか?

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答え:65°
片方の三角形は40°と75°なので、残りの角は180−40−75で65°です。
相似な図形では対応する角が等しいので、㋐も65°になります。
【練習問題】②
2つの三角形は相似です。4cmの辺と8cmの辺が対応しているとき、下の図の㋐の長さは何cmですか?

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答え:10cm
4cmの辺が8cmになっているので、辺の比(相似比)は1:2です。
㋐は5cmの辺に対応していて、その2倍なので、5×2で10cmになります。
【練習問題】③
下の2つの三角形は、同じ印をつけた角どうしがそれぞれ等しくなっています(印は線の本数で見分けます)。6cmの辺と9cmの辺が対応しているとき、㋐の長さは何cmですか?

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答え:12cm
2組の角が等しいので、この2つの三角形は相似です。
6cmの辺と9cmの辺が対応していて、辺の比は6:9=2:3です。
㋐は8cmの辺に対応していて、8×3÷2で12cmになります。
まとめ
2つの三角形を見比べることで、相似な図形のきまりを整理してみました。
角は変わらず、辺だけが同じ比で変わります。
この2つがそろうことで、形が保たれています。
相似比が分かっていれば、図形の一部の長さが分からなくても、比をたどって全体の長さを計算できます。
直接ものさしを当てられない遠くのものの長さも、この考え方なら求められます。
辺の比が決まると、面積の比も決まります。そちらは相似比が2倍なら面積は何倍?のほうで見ていきます。