時間と距離をグラフに描くと何が見える?
人が歩き始めると、時間が経つにつれて出発地点からの距離が変わっていきます。
時間と距離。2つの量が同時に動くので、文章だけで追いかけると関係がつかみにくくなります。
ところが、この2つをグラフに描くと、動き方のパターンはいつも同じ形で現れます。一定の速さならまっすぐな線、止まれば横ばいの線、というように。

この「時間と距離をグラフで整理する道具」をダイヤグラムと呼びます。「時間と距離のグラフ」と呼ぶこともあります。
どんな線が何を表すのか、順番に見ていきます。
動きが1本の線になる
分速40mで歩く人を考えてみます。分速40mは、1分あたりに進む道のりが40mということです。
出発したとき(0分)の距離は0mです。
5分後には200m、10分後には400m、20分後には800mの地点にいます。
この「時間と距離の組み合わせ」を、グラフの上に点として置いていきます。
点を順番につなぐと、1本のまっすぐな線ができます。

速さが変わらないので、5分ごとに同じ200mずつ進みます。
だからグラフも、同じペースでまっすぐ右上に伸びていきます。
一定の速さで動くと、まっすぐな線になります。これがダイヤグラムの一番の基本です。
止まると線は横ばいになる
今度は、途中で立ち止まった場合を見てみます。
分速40mで歩いていた人が、10分後(400mの地点)で5分間休憩し、そのあとまた同じ速さで歩き出したとします。

止まっている間は、時間は進んでいますが距離は変わりません。
グラフでは、横にまっすぐな線になっています。
15分後に歩き出すと、線はふたたび上がっていきます。
20分後には400+40×5=600mの地点に到着します。
横ばいの線=止まっている。ダイヤグラムを見れば、いつからいつまで止まっていたかがすぐに分かります。
速さの違いは線の傾きに出る
同じグラフに2人の動きを描いてみます。
Aさんは分速60m、Bさんは分速20mで、同じ場所から同時に出発します。

10分後、Aさんは600mの地点、Bさんは200mの地点にいます。
Aさんの線は急なかたむき(傾き)で、Bさんの線はゆるやかです。
同じ時間で進む距離が大きいほど、線は急になります。
線の傾きが急なほど速く、ゆるやかなほど遅い、ということです。
AさんとBさんの速さの比は60:20=3:1です。ダイヤグラムに重ねると、この差が傾きの違いとして目に見えます。なお、同じ道のりを進む場合なら、速さの比が3:1のとき、かかる時間の比は1:3になります。
2本の線が交わるところが「出会い」
最後に、向かい合って歩く2人を描いてみます。
Aさんは0mの地点から分速40mで出発します。Bさんは800mの地点からAさんに向かって分速40mで歩き出します。

Aさんの線は右上に伸び、Bさんの線は右下に伸びます。
2本の線が交わるところがあります。
交わった点から横軸を見ると10分、縦軸を見ると400mです。
「出発から10分後に、400mの地点で出会う」ということが、グラフの交点から読み取れます。
計算で確かめてみます。2人は合わせて分速80mで近づいているので、800÷80=10分で出会います。Aさんは40×10=400m進んだ地点です。読み取りの結果と一致しています。
ポイント
- ダイヤグラムは、横軸に時間、縦軸に距離を取ったグラフです。
- 一定の速さで動くと、まっすぐな線(直線)になります。
- 止まっていると、横ばいの線になります。
- 線の傾きが急なほど速く、ゆるやかなほど遅いです。
- 2本の線の交点から、出会いの時刻と場所が読み取れます。
練習問題
【練習問題】①
下のダイヤグラムはCさんが歩いた様子を表しています。Cさんの速さは分速何mですか?

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答え:分速60mです。
グラフを見ると、Cさんは10分で600m進んでいます。600÷10=60なので、分速60mになります。
【練習問題】②
下のダイヤグラムはDさんが歩いた様子を表しています。Dさんは途中で何分間止まっていましたか?

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答え:5分間です。
グラフを見ると、5分から10分のあいだ線が横ばいになっています。この間は距離が変わっていないので、5分間止まっていたことが分かります。
【練習問題】③
下のダイヤグラムはEさんとFさんの動きを表しています。2人が出会うのは出発してから何分後ですか?また、その地点はEさんの出発地点から何mのところですか?

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答え:10分後、Eさんの出発地点から400mの地点です。
グラフで2本の線が交わっている点を見ると、横軸が10分、縦軸が400mです。Eさんは分速40mで10分間進んで40×10=400m、Fさんは分速20mで10分間進んで20×10=200m。2人合わせて600m進んだところで出会っています。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
A地点とB地点は1200mはなれています。PさんはA地点から分速60mでB地点へ向かい、B地点に着いたらすぐに折り返して、同じ速さでA地点へもどります。QさんはPさんと同時にA地点を出発し、分速40mでB地点へ向かいます。下のダイヤグラムは、2人の動きを表したものです。

(1) PさんがB地点に着くのは、出発から何分後ですか。また、そのときQさんはA地点から何mのところにいますか。
(2) 折り返したPさんとQさんがすれちがうのは、出発から何分後ですか。また、その地点はA地点から何mのところですか。
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答え:(1) 20分後、A地点から800mの地点 (2) 24分後、A地点から960mの地点
(1) まず、グラフでPさんの線が折れているところに目を向けます。折れ目はB地点に着いた瞬間なので、そこまでは行きの動きだけを考えれば足ります。A地点からB地点までは1200m、Pさんは分速60mなので、1200÷60=20分後に着きます。そのときQさんは、同じ20分を分速40mで歩いているので、40×20=800mの地点にいます。
(2) 20分後の時点で、Pさんは1200m、Qさんは800mの地点にいるので、2人の間は1200−800=400mはなれています。ここからPさんはA地点へ向かうので、2人は向かい合って近づきます。近づく速さは60+40=100mで、これは旅人算の出会いと同じ考え方です。400÷100=4分かかるので、出発からは20+4=24分後になります。その地点は、Qさんが24分歩いた場所なので、40×24=960mです。Pさんで確かめると、折り返してから4分で60×4=240mもどっているので、1200−240=960mとなり、同じ地点を指しています。
この問題は、Pさんの線が折れる20分のところで場面が2つに分かれています。折れ目までは2人とも同じ向きに進んでいて、折れたあとは向かい合う動きに変わります。1本の線を最初から最後までひとまとめに見ようとすると追いにくいのですが、折れ目でいったん区切ってしまえば、後半はふつうの出会いの問題として扱えます。グラフの上では、2本の線が交わる点がその出会いの場所にあたります。
まとめ
ダイヤグラムは、時間と距離をグラフに描いて動きを整理する道具です。
一定の速さで進むと直線になり、止まると横ばいになります。
速さが違えば傾きに差が出て、出会いは交点として現れます。
線の形を見るだけで、動きのようすが一目で分かるようになります。
線分図や面積図が文章題の数の関係を図に置きかえる道具だとすると、ダイヤグラムは「動き」を図に置きかえる道具です。
グラフで変化を追いかける考え方は、動く点が作る面積の変化にも通じます。
グラフに描かれた線の傾き・横ばい・交点。この3つに注目すると、動きの情報が読み取れるようになります。