旅人算・通過算は、動きをグラフにすると見えてくる
旅人算や通過算は、人や電車が動く「速さ」の問題です。
動いているあいだ、時間も進んだ道のりも少しずつ変わっていくので、文章だけで追いかけると関係がつかみにくくなります。
そんなときは、横に時間、縦に道のりをとったグラフ(ダイヤグラム)に置いてみます。
一定の速さで進む動きは、まっすぐな1本の線になります。
すると、2人が出会う場所も、追いつく場所も、線が交わる1点として目に見えてきます。
出会い算 ― 反対から近づく2人
まずは、はなれた場所から向かい合って進む2人を考えます。
Aさんは左のはしから、Bさんは右のはしから、同時に歩き始めます。
この2人をダイヤグラムに置くと、次のような形になります。

なぜ交わる点が「出会い」なのか
Aさんの線は右上に、Bさんの線は右下に伸びています。
線の高さは、その人がいまいる道のりの位置を表します。
2本の線が交わるところは、AさんとBさんの高さがぴったり同じになる点です。
同じ時こくに、同じ場所にいる、ということです。これが2人の出会いです。
交わった点からまっすぐ下に下ろすと、出会うまでにかかった時間が読み取れます。
横にたどれば、出会った場所も分かります。
線のかたむきは、その人の速さを表します。急な線ほど速く進んでいます。
計算で確かめるときは、2人が近づく速さに注目します。向かい合っているので、2人の間は1分ごとに速さの和だけちぢんでいきます。
はなれた道のりを、この速さの和でわると、出会うまでの時間が出せます。
追いつき算 ― 同じ方向を追いかける
次は、同じ方向に進む2人です。
先に出た人を、あとから出た速い人が追いかけます。
これもダイヤグラムに置いてみます。

あとから出た線が追いつくとき
今度は2本とも右上がりです。同じ方向へ進んでいるからです。
あとから出た人の線は、時間の軸の少し右からスタートします。おくれて出発したぶんです。
その線のかたむきが急なので、前を行く線に少しずつ近づき、やがて追いつきます。
追いついた点は、2本の線が重なる場所です。ここで2人は同じ場所にいます。
出会い算との違いは、近づく向きです。反対から近づくのが出会い算、同じ方向で追いかけるのが追いつき算です。
計算では、2人の間がちぢむ速さに注目します。同じ方向なので、間は1分ごとに速さの差だけちぢみます。
先に出た人がかせいでいた道のりの差を、この速さの差でわると、追いつくまでの時間が出せます。
通過算 ― 電車が橋を渡る
最後は通過算です。ここは旅人算とは少し見方を変えます。
長い電車が、橋を渡るようすを考えます。

先頭が進む道のりの正体
電車が「橋を渡る」というのは、電車の先頭が橋に入ってから、最後尾が橋を出るまでのことです。
上の図の渡り始めでは、電車の先頭が橋の左はしにあります。
渡り終わりでは、電車の最後尾が橋の右はしを出ています。
このとき、電車の先頭はどこまで進んだでしょうか。
先頭は橋をわたりきり、さらに電車の長さのぶんだけ先まで進んでいます。
先頭が進んだ道のりは、橋の長さ+電車の長さになります。
旅人算がグラフの「点」で場所を読む話だったのに対して、通過算は「長さ」を足して道のりを作る話です。
道のりが分かれば、あとはそれを電車の速さでわると、渡りきるまでの時間が出せます。
ポイント
- 時間を横、道のりを縦にとると、動きが1本の線になります。
- 出会い・追いつきは、2本の線が交わる点で見えます。
- 出会い算は速さの和で、追いつき算は速さの差で、2人の間がちぢみます。
- 通過算では、先頭が進む道のりが「橋の長さ+電車の長さ」になります。
練習問題
【練習問題】①
AさんとBさんが、1800mはなれた2つの地点から、向かい合って同時に歩き始めます。Aさんは分速60m、Bさんは分速40mです。2人が出会うのは、歩き始めてから何分後ですか。
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答え:18分後です。
向かい合って進むので、2人の間は1分ごとに速さの和の100m(60+40)ずつちぢみます。1800mを100mずつちぢめていくと、1800÷100で18分になります。
【練習問題】②
弟が家を出て、分速60mで歩き始めました。その6分後に、兄が同じ道を分速90mで追いかけます。兄が弟に追いつくのは、兄が出発してから何分後ですか。
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答え:12分後です。
兄が歩き始めたとき、弟はすでに360m(分速60m×6分)先に進んでいます。同じ方向なので、2人の間は1分ごとに速さの差の30m(90−60)ずつちぢみます。360mを30mずつちぢめていくと、360÷30で12分になります。
【練習問題】③
長さ120mの電車が、長さ480mの鉄橋を渡ります。電車が鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに、電車の先頭が進む道のりは何mですか。また、この電車が秒速20mで走っているとき、渡り終わるまでに何秒かかりますか。
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答え:道のりは600m、時間は30秒です。
渡り始めから渡り終わりまでに、先頭は橋の長さと電車の長さを合わせた480+120で600m進みます。秒速20mなので、600÷20で30秒になります。
まとめ
旅人算も通過算も、動きをグラフや図に置きかえると、頭の中だけで追うより見通しがよくなります。
時間と道のりのダイヤグラムでは、出会いも追いつきも、2本の線が交わる1点として現れます。
出会い算は速さの和、追いつき算は速さの差で、2人の間がちぢんでいきます。
通過算では見方を変えて、先頭が進む道のりを「橋の長さ+電車の長さ」として作ります。
線が交わる点と、足し合わせる長さ。この2つに目を向けると、速さの文章題が図で読めるようになります。