- <h2>旅人算・通過算は、動きをグラフにすると見えてくる</h2>
旅人算や通過算は、人や電車が動く「速さ」の問題です。動いているあいだ、時間も進んだ道のりも少しずつ変わっていくので、文章だけで追いかけると関係がつかみにくくなります。
そんなときは、横に時間、縦に道のりをとったグラフ(<a href="https://inokinawa.net/diagram-graph-structure/">ダイヤグラム</a>)に置いてみます。
一定の速さで進む動きは、まっすぐな1本の線になります。
すると、2人が出会う場所も、追いつく場所も、線が交わる1点として目に見えてきます。
<h3>出会い算 ― 反対から近づく2人</h3>
まずは、はなれた場所から向かい合って進む2人を考えます。Aさんは左のはしから、Bさんは右のはしから、同時に歩き始めます。
この2人をダイヤグラムに置くと、次のような形になります。
<img class="alignnone size-full wp-image-1198" src="https://inokinawa.net/wp-content/uploads/2026/07/meeting-passing-diagram_001-e1783311892798.png" alt="出会い算のダイヤグラム。位置0から右上に伸びるAさんの線と、道のり全体の高さから右下に伸びるBさんの線が交わる点が出会い" width="500" height="240" />
<h3>なぜ交わる点が「出会い」なのか</h3>
Aさんの線は右上に、Bさんの線は右下に伸びています。線の高さは、その人がいまいる道のりの位置を表します。
2本の線が交わるところは、AさんとBさんの高さがぴったり同じになる点です。
同じ時こくに、同じ場所にいる、ということです。これが2人の出会いです。
交わった点からまっすぐ下に下ろすと、出会うまでにかかった時間が読み取れます。
横にたどれば、出会った場所も分かります。
線のかたむきは、その人の速さを表します。急な線ほど速く進んでいます。
計算で確かめるときは、2人が近づく速さに注目します。向かい合っているので、2人の間は1分ごとに<b>速さの和</b>だけちぢんでいきます。
はなれた道のりを、この速さの和でわると、出会うまでの時間が出せます。
<h3>追いつき算 ― 同じ方向を追いかける</h3>
次は、同じ方向に進む2人です。先に出た人を、あとから出た速い人が追いかけます。
これもダイヤグラムに置いてみます。
<img class="alignnone size-full wp-image-1199" src="https://inokinawa.net/wp-content/uploads/2026/07/meeting-passing-diagram_002-e1783311946230.png" alt="追いつき算のダイヤグラム。右上がりの2本の線のうち、あとから出発した傾きの急な線が前の線に追いつく点が追いつき" width="500" height="263" />
<h3>あとから出た線が追いつくとき</h3>
今度は2本とも右上がりです。同じ方向へ進んでいるからです。あとから出た人の線は、時間の軸の少し右からスタートします。おくれて出発したぶんです。
その線のかたむきが急なので、前を行く線に少しずつ近づき、やがて追いつきます。
追いついた点は、2本の線が重なる場所です。ここで2人は同じ場所にいます。
出会い算との違いは、近づく向きです。反対から近づくのが出会い算、同じ方向で追いかけるのが追いつき算です。
計算では、2人の間がちぢむ速さに注目します。同じ方向なので、間は1分ごとに<b>速さの差</b>だけちぢみます。
先に出た人がかせいでいた道のりの差を、この速さの差でわると、追いつくまでの時間が出せます。
<h3>通過算 ― 電車が橋を渡る</h3>
最後は通過算です。ここは旅人算とは少し見方を変えます。長い電車が、橋を渡るようすを考えます。
<img class="alignnone size-full wp-image-1200" src="https://inokinawa.net/wp-content/uploads/2026/07/meeting-passing-diagram_003-e1783311983875.png" alt="通過算の図。渡り始めと渡り終わりの2場面で、先頭が進んだ道のりが橋の長さと電車の長さの合計になることを示す" width="500" height="266" />
<h3>先頭が進む道のりの正体</h3>
電車が「橋を渡る」というのは、電車の先頭が橋に入ってから、最後尾が橋を出るまでのことです。上の図の渡り始めでは、電車の先頭が橋の左はしにあります。
渡り終わりでは、電車の最後尾が橋の右はしを出ています。
このとき、電車の先頭はどこまで進んだでしょうか。
先頭は橋をわたりきり、さらに電車の長さのぶんだけ先まで進んでいます。
先頭が進んだ道のりは、<b>橋の長さ+電車の長さ</b>になります。
旅人算がグラフの「点」で場所を読む話だったのに対して、通過算は「長さ」を足して道のりを作る話です。
道のりが分かれば、あとはそれを電車の速さでわると、渡りきるまでの時間が出せます。
ポイント
<ul>
<li>時間を横、道のりを縦にとると、動きが1本の線になります。</li>
<li>出会い・追いつきは、2本の線が交わる点で見えます。</li>
<li>出会い算は速さの和で、追いつき算は速さの差で、2人の間がちぢみます。</li>
<li>通過算では、先頭が進む道のりが「橋の長さ+電車の長さ」になります。</li>
</ul>
<h2>練習問題</h2>
<h3>【練習問題】①</h3>
AさんとBさんが、1800mはなれた2つの地点から、向かい合って同時に歩き始めます。Aさんは分速60m、Bさんは分速40mです。2人が出会うのは、歩き始めてから何分後ですか。<details><summary>タップで答えを見る</summary><b>答え:</b>18分後です。
向かい合って進むので、2人の間は1分ごとに速さの和の100m(60+40)ずつちぢみます。1800mを100mずつちぢめていくと、1800÷100で18分になります。
</details>
<h3>【練習問題】②</h3>
弟が家を出て、分速60mで歩き始めました。その6分後に、兄が同じ道を分速90mで追いかけます。兄が弟に追いつくのは、兄が出発してから何分後ですか。<details><summary>タップで答えを見る</summary><b>答え:</b>12分後です。
兄が歩き始めたとき、弟はすでに360m(分速60m×6分)先に進んでいます。同じ方向なので、2人の間は1分ごとに速さの差の30m(90−60)ずつちぢみます。360mを30mずつちぢめていくと、360÷30で12分になります。
</details>
<h3>【練習問題】③</h3>
長さ120mの電車が、長さ480mの鉄橋を渡ります。電車が鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに、電車の先頭が進む道のりは何mですか。また、この電車が秒速20mで走っているとき、渡り終わるまでに何秒かかりますか。<details><summary>タップで答えを見る</summary><b>答え:</b>道のりは600m、時間は30秒です。
渡り始めから渡り終わりまでに、先頭は橋の長さと電車の長さを合わせた480+120で600m進みます。秒速20mなので、600÷20で30秒になります。
</details>
<h2>発展問題</h2>
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
<h3>【発展問題】①</h3>
長さ140mの電車Aが秒速18mで、長さ100mの電車Bが秒速12mで走っています。(1) 2つの電車が向かい合って進むとき、先頭どうしが出会ってから、最後尾どうしがはなれるまでに何秒かかりますか。
(2) 2つの電車が同じ方向に進むとき、電車Aの先頭が電車Bの最後尾に追いついてから、電車Aの最後尾が電車Bの先頭を追いこすまでに何秒かかりますか。
<details><summary>タップで答えを見る</summary><b>答え:</b>(1)は8秒、(2)は40秒です。
(1)で目をつけるのは、電車Aの最後尾と電車Bの最後尾です。先頭どうしが出会った瞬間、Aの最後尾はその場所から140m後ろに、Bの最後尾は100m先にあります。2つの最後尾は240mはなれています。
すれちがい終わりは、この2つの最後尾が同じ場所に来たときです。向かい合っているので、間は1秒ごとに速さの和の30m(18+12)ずつちぢみます。240÷30で8秒になります。
(2)では、電車Aの最後尾と電車Bの先頭を見ます。Aの先頭がBの最後尾に追いついた瞬間、Aの最後尾はその場所から140m後ろに、Bの先頭は100m先にあり、こちらも240mはなれています。
追いこし終わりは、Aの最後尾がBの先頭に並んだときです。同じ方向なので、間は1秒ごとに速さの差の6m(18−12)ずつちぢみます。240÷6で40秒になります。
どちらも240mになるのは、通過算で「橋の長さ+電車の長さ」を足したのと同じ理由です。相手が橋ではなく電車なので、橋の長さのかわりに相手の電車の長さが入ります。
</details>
<h2>まとめ</h2>
旅人算も通過算も、動きをグラフや図に置きかえると、頭の中だけで追うより見通しがよくなります。時間と道のりのダイヤグラムでは、出会いも追いつきも、2本の線が交わる1点として現れます。
出会い算は速さの和、追いつき算は速さの差で、2人の間がちぢんでいきます。
通過算では見方を変えて、先頭が進む道のりを「橋の長さ+電車の長さ」として作ります。
線が交わる点と、足し合わせる長さ。この2つに目を向けると、速さの文章題が図で読めるようになります。
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【旅人算・通過算】グラフにすると動きが見えてくる|小学生の算数【文章題】