数えているうちに、もれたりだぶったりする
「全部で何通りあるかな」と数えるとき、頭の中だけで数えていくと、同じ並びをうっかり2回数えてしまったり、逆に1つ抜かしてしまったりすることがあります。
数が少ないうちは何とかなりますが、少し増えるとすぐにあやしくなります。
こういう「場合の数」を数えたいときに役立つのが、順番を決めて枝分かれの形に書き出す「樹形図」という数え方です。書き出す順番を先に決めておくと、もれもだぶりも起きにくくなります。
樹形図で、順番に枝分かれさせて書き出す
例として、A・B・Cの3枚のカードを1列に並べる場合を考えてみます。
まず1番目に置くカードは、A・B・Cの3枚から選べるので3通りです。
1番目にAを置いたら、2番目に残るのはBとCの2枚なので2通り。3番目は最後に残った1枚で自動的に決まります。
これを1番目・2番目・3番目の順に枝で分けていくと、下のような図になります。

たとえば1番目にAを選んだ枝からは、A→B→CとA→C→Bの2つの並び方が出てきます。
このように、左から順に枝をたどって、右端に出てくる並び方を上から見ていくと、並び方をそのまま読み取れます。
数えてみると、全部で6通りです。
なぜ樹形図だと、もれもだぶりも起きないのか
樹形図のよいところは、「1番目」「2番目」と場所を決めてから枝を分けている点です。
1番目をA・B・Cのどれにするかで最初に3つに分かれ、そのそれぞれの中でだけ2番目を考えます。
同じ枝の中で同じカードを2回使うことはないので、まったく同じ並びが2回出てくることはありません。これがだぶらない理由です。
そして、どの枝も最後まで順番にたどっていけば、数え忘れも起きません。これがもれを防げる理由です。
もれなく・だぶりなく数えるという考え方は、重なりを整理するベン図でも出てきます。
枝の数は、かけ算でも出せる
樹形図をよく見ると、枝の数には決まった増え方があります。
1番目で3本に分かれ、その1本ずつがさらに2本に分かれ、最後は1本ずつなので、いちばん右の枝の数は3×2×1=6と、かけ算でも出せます。
4枚のカードなら、1番目が4通り、2番目が3通り、3番目が2通り、4番目が1通りなので、4×3×2×1=24通りです。
かける数が1ずつ減っていくしくみは、3人が横に並ぶ方法は何通り?かける数が1ずつ減っていく理由でくわしく整理しています。
ただ、なぜそのかけ算になるのかを確かめる土台は、やはり樹形図です。数が少ないうちに一度きちんと書き出しておくと、かけ算の意味も見えてきます。
ポイント
- 並び方の数は、順番を決めて樹形図に書き出すと、もれもだぶりもなく数えられます。
- 1番目・2番目…と場所を固定して枝を分けるので、同じ並びが二重に出たり、抜けたりしません。
- 枝の数は、各段で分かれる本数のかけ算でも出せます(3枚なら3×2×1=6)。
練習問題
【練習問題】①
1・2・3の3枚のカードを1列に並べると、全部で何通りになりますか。
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答え:6通り
1番目が1・2・3の3通り、2番目が残りの2通り、3番目が最後の1通りなので、樹形図に書き出すと6本の枝になります。
【練習問題】②
1・2・3・4の4枚のカードを1列に並べると、全部で何通りになりますか。
今度は4枚です。全部書き出すと少し大変そうですね。
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答え:24通り
1番目が4通り、2番目が3通り、3番目が2通り、4番目が1通りなので、4×3×2×1=24通りです。枝がとても多くなるので、かけ算で出すと早く求められます。
【練習問題】③
1・2・3・4の4枚のカードから2枚を選んで1列に並べると、全部で何通りになりますか。
余裕があれば、樹形図も書いて確かめてみてください。
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答え:12通り
1番目に置けるのが4通り、2番目に置けるのが残りの3通りなので、4×3=12通りです。今回は2番目までで並べ終わるので、そこでかけ算も止めます。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
横一列にならんだ部屋を、赤・青・黄の3色のどれかで、一部屋ずつぬります。となり合う部屋は、かならずちがう色にします。同じ色を何回使ってもよく、使わない色があってもかまいません。
(1) 部屋が3つのとき、ぬり方は全部で何通りですか。
(2) 部屋が5つのとき、ぬり方は全部で何通りですか。
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答え:(1) 12通り (2) 48通り
(1) 最初に見るのは、それぞれの部屋で「使える色がいくつあるか」です。
1部屋目は、まだとなりの部屋がないので、赤・青・黄の3通りから選べます。
2部屋目で使えないのは、1部屋目と同じ色だけです。3色のうち1色が使えなくなるので、残りは2通りです。3部屋目も、使えないのはとなりの2部屋目と同じ色だけなので2通りです。1部屋目と3部屋目はとなり合っていないので、同じ色になってもかまいません。
1部屋目を赤にしたときの樹形図で、前と同じ色になる枝を消していくと、下のようになります。

残る枝は1本から2本、2本から4本と増えていきます。1部屋目が青のときも黄のときも同じ形になるので、全部で3×2×2=12通りです。
この数え方でいいのは、どの部屋でも消える枝が1本だけだからです。カードを並べるときは、一度使ったカードはもう使えないので、かける数が1ずつ減っていきました。ぬり分けでは同じ色をまた使ってよく、使えないのは「すぐ前の部屋の色」の1色だけです。そのため、2部屋目から先は、何部屋目になってもいつも2通りずつになります。
となり合う相手が1つだけでなく、いくつもある形のぬり分けは、決める順番を変えると数えやすくなる?しばりの強いところから決めるわけで整理しています。
(2) 4部屋目も5部屋目も、使えないのはすぐ前の部屋と同じ色だけなので、2通りずつです。(1)の12通りに、さらに2を2回かけて、12×2×2=48通りです。3×2×2×2×2と、1部屋目の3に2を4回かけても同じ数になります。
まとめ
場合の数を数えるときは、いきなり全部を思い浮かべようとせず、まず順番を決めて樹形図に書き出すと、もれもだぶりも防げます。
枝の数が多くなってきたら、各段で分かれる本数のかけ算で出す方法も使えます。
数え方に迷ったら、まず1番目・2番目…と順番を決めて、樹形図を書いてみてください。