線対称と点対称、何が違うのか
図形には「対称」と呼ばれる性質があります。ある直線を境にして左右がぴったり重なる図形、ある点を中心に180度回転するとぴったり重なる図形。
どちらも「対称な図形」と呼ばれますが、その仕組みはまったく異なります。
この記事では、線対称と点対称それぞれの特徴を整理したうえで、どの図形がどちらに当てはまるかを具体的に確認していきます。
線対称とは──対称の軸を境に左右が一致する図形
線対称は、ある直線を境にして左右がぴったり重なる図形です。この直線を対称の軸と呼びます。

上の二等辺三角形を見ると、縦の点線(対称の軸)の左側と右側が完全に一致しています。
底辺のマークが示すように、軸から左の頂点までの距離と、軸から右の頂点までの距離は等しくなっています。
重なるかどうかを確認するときは、軸から対応する点までの距離が等しいかを見ると分かりやすいです。
点対称とは──対称の中心を基準に180度回転すると重なる図形
点対称は、ある点を中心に180度回転させると、もとの図形とぴったり重なる性質です。この点を対称の中心と呼びます。

上の平行四辺形では、点OがAとCのちょうど中点になっています。
対角線のマークが示すように、OからAまでの距離と、OからCまでの距離は等しくなっています。
Oを中心に180度回転させると、AはCの位置に、CはAの位置に移動し、図形全体がぴったり重なります。
線対称が「折り返す」操作だとすれば、点対称は「くるっと回す」操作です。
どちらも「対応する点までの距離が等しい」という考え方を使っている点は共通しています。
ポイント
- 線対称:対称の軸で折り返すと重なる。軸から対応する点までの距離が等しい。
- 点対称:対称の中心Oで180度回転すると重なる。Oから対応する点までの距離が等しい。
線対称だけ・点対称だけ・両方ある図形の違い
線対称と点対称は別の性質なので、図形によって「どちらか一方だけ」の場合と「両方」の場合があります。具体的な図形で整理しておきます。
図で見る──線対称のみ vs 両方に当てはまる図形

左の二等辺三角形は、縦の対称軸1本に対して線対称が成り立ちます。
ただし180度回転させると頂点の位置が変わってしまうので、点対称ではありません。
右の正方形は、縦・横・斜め2本の計4本の対称軸があり線対称が成り立ちます。さらに中心点Oを基準に180度回転させてもぴったり重なるので、点対称でもあります。
線対称だからといって点対称とは限らない、という点がポイントです。
主な図形の対称まとめ
よく出てくる図形について、線対称・点対称の両方をまとめると以下のようになります。
| 図形 | 線対称 | 点対称 | 対称軸の本数 |
|---|---|---|---|
| 正三角形 | ○ | × | 3本 |
| 正方形 | ○ | ○ | 4本 |
| 長方形 | ○ | ○ | 2本 |
| 平行四辺形 | × | ○ | 0本 |
| ひし形 | ○ | ○ | 2本 |
| 正六角形 | ○ | ○ | 6本 |
平行四辺形は点対称ですが線対称ではありません。向かい合う辺が平行で等しいという性質はありますが、どの直線を引いても折り返して重ねることはできません。
正三角形は3本の対称軸がありますが、180度回転すると頂点の位置がずれてしまうので点対称にはなりません。ここは混同しやすいので、押さえておくと安心です。
ポイント
- 線対称でも点対称でもない図形がある(例:不規則な四角形)
- 線対称だが点対称でない図形がある(例:正三角形・二等辺三角形)
- 点対称だが線対称でない図形がある(例:平行四辺形)
- 両方に当てはまる図形がある(例:正方形・長方形・ひし形・正六角形)
練習問題
【練習問題】①
下の図の台形ABCDは、線対称でしょうか。線対称なら、対称の軸は何本ありますか。

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答え:線対称です。対称の軸は1本です。
上の辺ABの真ん中と、下の辺DCの真ん中を結ぶ縦の直線で折ると、AはBの位置へ、DはCの位置へ移ります。軸から左右へ同じ距離のところに頂点がそろっているので、ぴったり重なります。ほかの向きに直線を引いても、頂点の行き先が合いません。
【練習問題】②
下の図の形を、点Oを中心に180度回転させると、もとの形にぴったり重なるでしょうか。

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答え:ぴったり重なります(点対称です)。
図の左上の頂点Aと、右下の頂点Bを見ます。OからAまでの長さと、OからBまでの長さは等しく、AとBはOをはさんで反対側にあります。180度回すとAはBの位置へ、BはAの位置へ移り、上の長方形がそのまま下の長方形に重なります。
【練習問題】③
下の図の形は、線対称でしょうか、点対称でしょうか。線対称の場合は、対称の軸が何本あるかも答えてください。

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答え:線対称でも点対称でもあります。対称の軸は4本です。
縦1本・横1本の軸で折ると、左右の腕どうし、上下の腕どうしが重なります。4つの腕は長さも幅も同じなので、斜めに引いた2本の直線で折っても重なり、軸は全部で4本になります。まん中の点を中心に180度回すと、上の腕は下の腕へ、左の腕は右の腕へ移ります。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
下の図の正五角形と正六角形について答えましょう。

(1) 正五角形の対称の軸は何本ありますか。
(2) 正六角形の対称の軸は何本ありますか。また、正六角形は点対称でしょうか。
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答え:(1) 5本 (2) 6本、点対称です
まず、頂点を1つ選んで、その真向かいに何があるかを見ます。正五角形では、頂点の真向かいは辺です。頂点と、向かい合う辺の真ん中を結ぶ直線で折ると、左右の2辺ずつが重なります。この軸は頂点1つにつき1本引けて、頂点は5つあるので5本になります。
正六角形で同じことをすると、頂点の真向かいには頂点があります。向かい合う頂点どうしを結ぶ軸が3本、向かい合う辺の真ん中どうしを結ぶ軸が3本で、合わせて6本です。正六角形は中心から正三角形6つに分けられるので、中心のまわりの6つが同じ形にそろっていて、この6本のどの軸で折っても重なります。
点対称かどうかも、真向かいに何があるかで決まります。正六角形は向かい合う頂点がペアになっているので、中心から同じ距離で反対側にあり、180度回すと入れかわって重なります。正五角形は頂点の真向かいが辺なので、回しても頂点の行き先がなく、点対称にはなりません。辺の数が偶数か奇数かで、この違いが出てきます。
まとめ
線対称は「対称の軸で折り返すと重なる」、点対称は「対称の中心で180度回転すると重なる」。
この2つは似て非なる性質で、図形によってどちらか一方だけ、あるいは両方に当てはまる場合があります。
特に平行四辺形(点対称のみ)と正三角形(線対称のみ)は混同しやすいので、表と合わせて確認しておくと整理しやすいです。
それぞれの四角形や三角形がどんな性質を持っているかをあわせて見ると、対称の違いもすっきりしてきます。