図形の仕組み

図形の転がりと通過領域、面積の出し方を図で整理してみた|小学生の算数【図形】

図形の転がりと通過領域

下の図は、正方形を直線の上に置いて右に1回転がした様子です。

正方形を右に1回転がしたとき、左下の点Aが破線の弧を描いて移動する様子

 

左下にあった点Aが、破線の軌道をたどって(A)の位置まで移動しています。

位置は変わっていますが、点Aが描いた弧の半径は正方形の辺の長さにぴったり一致しています。

転がる回数が増えても、弧の半径には決まったルールがあります。今回は多角形を転がしたときの頂点の軌跡と、円が図形のまわりを転がったときの通過領域を整理してみます。

正方形を1回転がすと、頂点はどう動く?

正方形が右に転がるとき、右下の角(図のB)が地面に接したまま支点(回転の中心になる角)になります。

点Aは、この支点Bを中心にして弧を描きながら移動します。

正方形の1回の転がりでは90°回転するので、弧の角度も90°。弧の半径は、点Aから支点Bまでの距離、つまり辺の長さです。

ここからさらに転がし続けると、どうなるでしょうか。

何回も転がしたときの軌跡

正方形を繰り返し転がしたときの点Aの軌跡。支点がB→C→D→Aと移り変わる

 

正方形を何回も転がし続けると、点Aはこのような軌跡(点が動いたあとの道すじ)を描きます。

注目してほしいのは、支点が1回ごとに変わることです。最初の正方形に振ったA・B・C・Dの4つの角が、B → C → D → Aの順番で支点になっていきます。

支点が変わると、点Aまでの距離も変わります。

支点がとなりの角にあるとき(BやD)は、半径=辺の長さ。
支点が対角にあるとき(C)は、半径=対角線の長さ。

この半径の切り替わりが、軌跡に高い弧と低い弧が交互に現れる理由です。

4回の転がりで1サイクル。4回目は点A自身が支点になるので、そのあいだ点Aは動きません。点Aが地面を離れてから再び地面に戻るまでのひとまとまりを、ここでは「1こぶ」と呼ぶことにします。

軌跡の長さはどう求める?

1こぶぶんの軌跡を3つの弧に分解し、中心角90°と半径(一辺または対角線)を示した図

点Aが動いた道のりを求めるには、各弧の「中心角(弧を作る扇形の角度)」と「半径」が分かればOKです。

図を見ると、1こぶは3つの弧でできていて、どの弧も中心角は90°です。違うのは半径だけ。

1つ目の弧:中心角90°、半径=一辺
2つ目の弧:中心角90°、半径=対角線
3つ目の弧:中心角90°、半径=一辺

弧の長さは「半径の円の円周 × 中心角/360」で出せるので、それぞれの弧について計算して足し合わせれば、1こぶぶんの道のりになります。

正三角形だと軌跡はどう変わる?

正三角形を転がしたときの点Aの軌跡。120°の弧2つで1こぶを描く

正三角形を同じように転がすと、軌跡の形がかなり変わります。

まず、1回の転がりで回る角度が違います。正方形の外角は90°でしたが、正三角形の外角は120°なので、1回の弧がそのぶん大きくなります。

もう一つの違いは、弧の半径がずっと同じであること。

正三角形では、どの角が支点になっても支点から点Aまでの距離は辺の長さです。正方形のように「辺の長さと対角線の長さで交互に切り替わる」ということが起きません。

その結果、正三角形は2つの弧で1こぶ、正方形は3つの弧で1こぶという違いが出ます。

道のりを求めるときも、正三角形のほうがシンプルです。弧の中心角は120°、半径は辺の長さで全部同じなので、1つの弧の長さを出して弧の数をかけるだけで済みます。

円が正方形のまわりを転がるとき

円が正方形のまわりを転がるとき、中心が描く軌跡を直線部分と四分円の弧に色分けした図

ここからは視点を変えて、円が図形のまわりを転がるパターンです。

円が正方形の外側を1周するとき、円の中心が通る経路は2種類のパーツでできています。

辺に沿った部分では、中心は辺と平行に直線を進みます。この直線の長さは辺の長さと同じです。

角を曲がる部分では、中心は正方形の角を中心とした四分円の弧を描きます。弧の半径は円の半径です。

図の色分けを見ると、青い直線部分とオレンジの弧がきれいに分かれているのが分かります。

円が通った部分の面積を求める

円が正方形のまわりを転がったときの通過領域を長方形4つと四分円4つに分解した図

円が正方形のまわりを1周したとき、円が通った部分(通過領域)が正方形を囲む形で残ります。

一見複雑そうですが、正方形の角から外側へ区切り線を引くと、シンプルな形に分解できます。

辺に沿った部分は長方形です。たての長さは円の直径(半径の2倍)、よこの長さは正方形の辺の長さ。これが4辺ぶんあります。

角の部分は四分円です。半径は円の直径(半径の2倍)で、4つの角に1つずつ。4つ合わせると半径が直径ぶんの円がまるごと1つになります。

通過領域の面積は「長方形4つ + 円1つ」で求められます。

ポイント

  • 多角形が転がるとき、頂点は「支点を中心とした弧」を描きます。弧の中心角は外角の大きさと同じです。
  • 弧の長さは「中心角」と「半径」が分かれば求められます。正方形は半径が2種類(辺と対角線)、正三角形は1種類(辺)です。
  • 円が多角形のまわりを転がるとき、通過領域は「辺に沿った長方形」と「角の四分円」に分解して面積を出せます。

練習問題

【練習問題】①

1辺が6cmの正方形を、直線の上で1回転がしました。頂点Aが動いた道のりの長さを求めなさい。(円周率は3.14とする)

タップで答えを見る

答え:9.42cm

正方形が1回転がると90°回転するので、頂点Aは中心角90°、半径6cmの弧を描きます。

弧の長さ=6 × 2 × 3.14 × 90/360=37.68 × 1/4=9.42cmです。

【練習問題】②

半径2cmの円が、1辺6cmの正方形のまわりを1周転がります。円が通った部分の面積を求めなさい。(円周率は3.14とする)

タップで答えを見る

答え:146.24cm²

通過領域を分解すると、辺に沿った長方形4つと、角の四分円4つに分かれます。

長方形1つの面積=6 × 4=24cm²(よこ=辺の長さ、たて=円の直径(半径の2倍)=2 × 2=4cm)

長方形4つぶん=24 × 4=96cm²

四分円4つを合わせると、半径4cmの円が1つになります。

円の面積=4 × 4 × 3.14=50.24cm²

合計=96 + 50.24=146.24cm²です。

まとめ

図形の転がりは、「どの角が支点か」「支点から頂点までの距離はいくらか」を追いかけると軌跡が見えてきます。

正方形と正三角形で軌跡の形はかなり違いますが、「外角の大きさぶんだけ回転する」「弧の半径は支点までの距離で決まる」という同じルールで動いています。

多角形が直線上を転がるパターンでは「弧の長さ」、円が図形のまわりを転がるパターンでは「通過領域の面積」と、求めるものは違いますが、どちらも弧の中心角と半径を押さえれば計算に持っていけます。

関連記事

-図形の仕組み