正六角形を中心から切り分けると、同じ形の三角形が6つ出てくる
正六角形の真ん中に点を1つ取って、そこから6つの頂点へ線を引きます。
六角形の内側が6つの三角形に分かれます。形は変わらず、中に線を引いただけです。
ところが、分かれて出てきた6つの三角形は、どれも正三角形になっています。
正六角形の角が120°になることも、面積の出し方も、この6つの正三角形から見えてきます。なぜ全部が正三角形になるのか、順番に見ていきます。
中心から6本の線を引くと、三角形が6つできる
正六角形の中心から、6つの頂点それぞれへ線を引いてみます。

六角形の内側が、6つの三角形に分かれました。
どれも同じ大きさの三角形に見えますよね。実際、中心から頂点までの長さは6本ともまったく同じです。
正六角形は、6つの頂点が中心から等しくはなれている形です。正六角形がぴったり入る円を思いうかべると、中心から頂点への線はその円の半径にあたります。だから6本とも長さがそろいます。
六角形の辺の長さもすべて同じなので、6つの三角形は同じ形・同じ大きさになります。
ただ、この時点ではまだ正三角形と決まったわけではありません。
なぜ6つとも正三角形になるのか
三角形を1つ取り出して、角の大きさを見てみます。

中心のまわりは1周で360°です。
それを6つに分けているので、中心の角は 360÷6 で60°になります。
中心から頂点へ伸びる2本の線は、さきほど見たように同じ長さでした。2つの辺の長さが等しい三角形は二等辺三角形なので、底辺の両はしの角も等しくなります。
三角形の3つの角を合わせると180°です。ここから60°を引くと、残りは120°。
これを等しい2つで分けるので、60°ずつになります。
3つの角がどれも60°。この三角形は正三角形です。
正六角形の1つの角が120度になる理由
六角形に戻して、今度は頂点を1つ見てみます。

1つの頂点には、となり合う2つの三角形の角が集まっています。
どちらも正三角形の角なので、60°ずつです。
60+60 で120°。これが正六角形の1つの角の大きさです。
多角形の内角の和の公式から求めても同じ数になりますが、正三角形に分けてしまえば、たし算だけで出せます。
正五角形で同じことをするとどうなるか
同じやり方を正五角形でも試してみます。

中心から5つの頂点へ線を引くと、三角形が5つできます。
中心の角は 360÷5 で72°です。
中心から頂点までの長さはやはり同じなので、この三角形も二等辺三角形になります。
180から72を引くと108。これを2つで分けて、底角は54°ずつです。
60°ではないので、正三角形にはなりません。
正五角形の1つの角は、54+54 で108°になります。
正六角形だけが正三角形に分かれるのは、360÷6 がちょうど60になるからです。
正六角形の面積は正三角形6個分
6つの三角形は同じ大きさなので、面積もすべて同じです。

正三角形1つ分の面積が分かっていれば、6倍すると正六角形の面積になります。
1つ分が5cm²なら、正六角形は 5×6 で30cm²です。
ひとつ気をつけたいのは、正三角形1つ分の面積を自分で求めるのは、小学校で習う範囲では難しいということです。正三角形の高さがきれいな数にならないためです。中学以降で習う計算を使えば求められるようになります。
問題では「正三角形1つ分は◯cm²」のように与えられることが多いので、そこから6倍する、という使い方になります。
ポイント
- 正六角形は、中心から6つの正三角形に分けられます。
- 中心の角は 360÷6 で60°。二等辺三角形なので残りの2つも60°ずつになります。
- 正六角形の1つの角は、60+60 で120°です。
- 正五角形は中心の角が72°、底角は54°で、正三角形にはなりません。
- 正三角形1つ分の面積が分かれば、6倍して正六角形の面積になります。
練習問題
【練習問題】①
正六角形を中心から6つの三角形に分けたとき、中心の角1つは何度ですか。
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答え:60度
中心のまわりは1周で360度です。それを6つに分けるので、360÷6 で60度になります。
【練習問題】②
正五角形を中心から5つの三角形に分けたとき、中心の角は何度ですか。また、その三角形の底角は何度ですか。
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答え:中心の角は72度、底角は54度
360÷5 で72度です。中心から頂点までの長さは同じなので二等辺三角形になり、180から72を引いた108度を2つで分けて、54度ずつになります。
【練習問題】③
正六角形を中心から分けたとき、正三角形1つ分の面積が8cm²でした。正六角形の面積は何cm²ですか。
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答え:48cm²
6つの三角形はどれも同じ大きさなので、1つ分を6倍します。8×6 で48cm²です。
【練習問題】④
正十二角形を中心から12個の三角形に分けたとき、中心の角は何度ですか。また、正十二角形の1つの角は何度ですか。
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答え:中心の角は30度、1つの角は150度
360÷12 で30度です。二等辺三角形なので、180から30を引いた150度を2つで分けて、底角は75度ずつになります。1つの頂点には三角形2つの角が集まるので、75+75 で150度です。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
下の図は、面積が60cm²の正六角形ABCDEFです。

(1) 三角形ABCの面積は何cm²ですか。
(2) 三角形ACEの面積は何cm²ですか。
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答え:(1) 10cm² (2) 30cm²
(1) まず、正六角形の中心に点Oを取って考えます。
中心から6つの頂点へ線を引くと、正六角形は同じ大きさの正三角形6つに分かれます。60÷6 で、正三角形1つ分は10cm²です。
このうち、OとA・B・Cでできる四角形OABCは、正三角形2つ分で20cm²です。4つの辺がどれも正三角形の辺なので、長さがすべて等しいひし形になっています。
このひし形を対角線ACで切ると、三角形ABCと三角形AOCに分かれます。AB=OA、BC=OC で、ACは共通なので、2つの三角形は3つの辺がそれぞれ等しく、ぴったり重なります。
20cm²を半分にして、三角形ABCは10cm²です。
(2) 三角形ACEのまわりには、三角形ABC・三角形CDE・三角形EFAの3つが残っています。
どれも正六角形の辺2本と、その間の120°の角でできた三角形なので、(1)と同じ形・同じ大きさで、10cm²ずつです。
正六角形全体からこの3つを引いて、60−10×3 で30cm²になります。三角形ACEは、ちょうど正六角形の半分の広さです。
【発展問題】②
下の図の正五角形ABCDEで、対角線ACとBDが交わる点をPとします。角アは何度ですか。

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答え:72度
角アは三角形ABPの角の1つなので、三角形ABPの残り2つの角、角PABと角PBAを先に調べます。
手がかりは、正五角形の1つの角が108°で、辺の長さがすべて等しいことです。
三角形ABCは、AB=BC の二等辺三角形で、頂点Bの角は108°です。3つの角の和は180°なので、残りは 180−108 で72°。これを2つで分けて、角BACは36°です。PはAC上にあるので、角PABも36°になります。
三角形BCDも、BC=CD の二等辺三角形で、頂点Cの角が108°です。同じように、角CBDは36°になります。
頂点Bの角108°から角CBDの36°を引くと、角ABDは72°です。PはBD上にあるので、角PBAも72°になります。
三角形ABPの3つの角の和は180°なので、角アは 180−36−72 で72°です。
まとめ
正六角形を中心から切り分けると、正三角形が6つ出てきます。
中心の角が 360÷6 で60°になり、二等辺三角形の残りの角も60°ずつにそろう、という流れでした。
1つの角の大きさも、面積の出し方も、この6つの正三角形をたどれば公式なしで出せます。
正五角形で同じことをすると72°と54°になって正三角形にはならないので、これは正六角形だけが持っている性質ですね。