頂点から底辺の真ん中へ、線を1本引いてみる
三角形ABCは、ABとACの長さが同じ二等辺三角形です。
この三角形の頂点Aから、底辺BCのちょうど真ん中の点Mへ、線を1本引きます。

1つだった三角形が、2つに分かれました。
分かれても、ABとACが同じ長さであることは変わっていません。底辺も、BMとMCに半分ずつ分かれただけです。
この1本の線から、底の角㋐と㋑が等しいことと、AMが高さになっていることの両方が出てきます。
分けてできた2つの三角形は、3つの辺がそれぞれ同じ
切り離した2つの三角形を、離して並べてみます。左が三角形ABM、右が三角形ACMです。

辺を1組ずつくらべます。
- ABとACは、二等辺三角形なので同じ長さです。
- AMは、どちらの三角形も同じ1本の線を使っています。
- BMとMCは、真ん中で分けたので同じ長さです。
3つの辺がそれぞれ同じなので、この2つの三角形は合同です。3つの辺がそろえば形はひとつに決まる、という合同条件のうちのひとつにあてはまります。
図では点Mのところが直角に見えますが、ここまでで直角は使っていません。使ったのは辺の長さだけです。直角になる理由は、このあとに出てきます。
合同だから、底の2つの角も等しくなる
合同な三角形は、うら返して重ねるとぴったり合います。重なる位置にある角も、同じ大きさです。

三角形ABMの角Bは、三角形ACMの角Cと重なります。なので㋐と㋑は等しいと言えます。
二等辺三角形の底の2つの角が等しいというのは、ここから出てきた性質です。
等しくなるのは底の角だけではありません。頂点Aの角BAMと角CAMも重なる位置にあるので、こちらも同じ大きさです。
AMは頂角もちょうど半分に分けている、ということになります。
真ん中を通る線は、底辺と直角に交わっている
点Mのところにも、角が2つできています。角AMBと角AMCです。

この2つも同じ場所にくる角なので、合同から等しいと分かります。
そしてBからCまでは一直線なので、2つの角を合わせると180°です。
等しい2つを合わせて180°なら、1つぶんは180÷2で90°になります。
AMは底辺BCと直角に交わっている、と言えます。頂点から底辺へまっすぐ下ろした線なので、これがそのまま三角形の高さです。
高さが真ん中を通ると、どこで役に立つか
二等辺三角形の高さは、底辺のちょうど真ん中に落ちます。これが使える場面を2つ挙げます。
1つは面積です。頂点から下ろした線を、そのまま高さとして使えます。
三角形ABMと三角形ACMは合同なので、面積も同じです。片方の面積を出して2倍しても、全体の面積になります。
もう1つは対称です。AMで折ると左右がぴったり重なるので、この線は線対称の軸でもあります。二等辺三角形が左右にそろって見えるのは、この1本があるからです。
ポイント
二等辺三角形の底角と高さ
- 頂点から底辺の真ん中へ線を引くと、三角形が2つに分かれます。
- 3つの辺がそれぞれ等しいので、この2つは合同です。
- 合同なので、底の2つの角は等しくなります。頂角も半分に分かれます。
- 点Mにできる2つの角も等しく、合わせて180°なので、どちらも90°です。
- なので、この線は底辺と直角に交わり、そのまま高さになります。
練習問題
【練習問題】①
二等辺三角形ABCがあります。ABとACは同じ長さで、頂角Aは40°です。底の角㋐は何度ですか?
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答え:70°
底の2つの角は等しくなります。
180°から40°を引くと140°で、これを2つに分けます。
140÷2で70°です。
【練習問題】②
二等辺三角形ABCがあります。ABとACは同じ長さで、底の角の1つが50°です。頂角Aは何度ですか?
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答え:80°
底の角は2つとも50°なので、合わせて100°です。
180°から100°を引くと80°になります。
【練習問題】③
二等辺三角形ABCがあります。ABとACは同じ長さで、底辺BCは8cm、頂点Aから底辺の真ん中の点Mまでは6cmです。三角形ABMの面積は何cm²ですか?
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答え:12cm²
AMは底辺の真ん中を通るので、BMは8cmの半分で4cmです。
AMは底辺と直角に交わるため、そのまま高さとして使えます。
4×6÷2で12cm²です。
まとめ
二等辺三角形の底の角が等しい理由も、高さが真ん中を通る理由も、たどっていくと同じ1本の線から出てきます。
頂点から底辺の真ん中へ線を引くと、3つの辺がそろった三角形が2つできます。合同だと分かったところで、角の話はまとめて片づきます。
底の角が等しいこと、頂角が半分に分かれること、点Mのところが直角になること。別々の性質に見えますが、確かめ方はどれも同じでした。