立体の頂点を1つ、思いきり拡大してみます。
たとえば正四面体の頂点では、正三角形が3枚、すきまなく集まっています。

3枚の角を全部たしても、まだ1周(360°)には足りません。
この「足りない分」があることが、平らな紙が立体に折れ曲がる合図になっています。
頂点に集まる角を全部たすと何度になる?
1つの点のまわりを1周すると、角度は360°になります。
へこみのない立体では、頂点に集まる角の合計はいつも360°より小さくなります。
角の合計がちょうど360°になると、面は平らに並んだままで、立体の角は生まれません。角の合計が360°をこえると、面どうしが重なってしまうので、立体の頂点にはできません。
つまり、へこみのない立体の頂点ができるのは、角の合計が360°より小さいときだけです。
正三角形を集めてみると
正三角形の1つの角は60°です。
正三角形を3枚集めると、60°×3=180°になります。
360°より小さいので、立体の角ができます。

4枚では60°×4=240°、5枚では60°×5=300°になり、どちらも360°より小さいので、こちらも立体の角ができます。
ですが6枚集めると、60°×6=360°になり、ちょうど1周ぴったりになります。
すきまがなくなるので、面は平らなままで、立体の角にはなりません。
正三角形は5枚までなら立体の角になります。6枚集めるとちょうど360°になるため、立体の角にはなりません。
正方形・正五角形でも同じように調べる
正方形の1つの角は90°、正五角形の1つの角は108°です(正多角形の1つの角の大きさの求め方はこちらの記事で説明しています)。
正方形を3枚集めると90°×3=270°、正五角形を3枚集めると108°×3=324°になり、どちらも360°より小さいので立体の角ができます。

正方形を4枚集めると90°×4=360°になり、正三角形6枚のときと同じようにちょうど1周になってしまいます。
正方形は3枚が限界です。
正五角形は3枚でもう324°まで来ているので、4枚集めると108°×4=432°になり、360°をこえてしまいます。
正五角形も3枚が限界です。
正六角形は1つの角が120°なので、3枚集めただけで120°×3=360°になり、ちょうど1周です。
正六角形は3枚集めた時点でちょうど360°になるため、3枚でも立体の角にはなりません。
正六角形が正三角形6つに分けられるのも、1つの角が120°であることと関係しています。
角の数がもっと多い正七角形・正八角形になると、1つの角はさらに大きくなるので、3枚集めただけで360°をこえてしまい、立体の角を作ることはできません。
組み合わせを並べてみると
ここまでに見つかった、立体の角になる組み合わせを並べてみます。
- 正三角形3枚(180°)→ 正四面体
- 正三角形4枚(240°)→ 正八面体
- 正三角形5枚(300°)→ 正二十面体
- 正方形3枚(270°)→ 立方体
- 正五角形3枚(324°)→ 正十二面体

すべての面が同じ正多角形でできていて、どの頂点にも同じ数の面が集まっている、へこみのない立体を、正多面体と呼びます。
角の合計が360°より小さくなる組み合わせは、この5通りしかないので、正多面体も5種類しかありません。
正多角形の1つの角の大きさは、角の数によって決まっているので、組み合わせを増やそうとしても、途中で必ず360°に届いてしまいます。
ポイント
- へこみのない立体の頂点ができるのは、集まった角の合計が360°より小さいときだけです。
- 正三角形は3〜5枚、正方形は3枚、正五角形は3枚までが限界です。
- 正六角形や、それより角の数が多い正多角形は、3枚集めただけで360°に届くか、こえてしまうので、立体の角を作れません。
- この条件を満たす組み合わせが5通りしかないので、正多面体は5種類だけです。
練習問題
【練習問題】①
正三角形を4枚、頂点のまわりに集めました。角の合計は何度になりますか。
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答え:240°
正三角形の1つの角は60°です。60°を4枚分たすと、60°×4=240°になります。360°より小さいので、この集め方でも立体の角ができます。
【練習問題】②
正六角形を頂点のまわりに4枚集めようとすると、角の合計は何度になりますか。また、この集め方で立体の角はできますか。
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答え:480°になり、立体の角はできません
正六角形の1つの角は120°です。120°を4枚分たすと、120°×4=480°になり、360°をこえてしまいます。角の合計が360°をこえると面どうしが重なってしまうので、立体の角は作れません。
【練習問題】③
正方形を3枚集めたときと、正五角形を3枚集めたときでは、360°までの「のこり」はそれぞれ何度ですか。また、どちらのほうが「のこり」が少ないですか。
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答え:正方形は90°、正五角形は36°のこり、正五角形のほうが少ない
正方形の角は90°なので、90°×3=270°、のこりは360°-270°=90°です。正五角形の角は108°なので、108°×3=324°、のこりは360°-324°=36°です。36°のほうが90°より小さいので、正五角形のほうが「のこり」は少なくなります。
まとめ
正多面体が5種類しかないのは、頂点に集まる角の合計が360°より小さくなければ、立体の角ができないからでした。
正三角形・正方形・正五角形では集められる枚数に限りがあり、正六角形からは3枚集めただけでもう限界に達してしまいます。
身のまわりにある正多面体を見つけたら、頂点に何枚の面が集まっているか、数えてみてください。