図形の仕組み

一筆書きできる形とできない形の違いは?点に集まる線の数で見分ける|小学生の算数【図形】

同じ点の数でも、一筆書きできる形とできない形があります

紙に描かれた2つの形を見てください。

左は正方形の上に三角の屋根がのった形、右は正方形に対角線を2本引いた形です。

一筆書きできる家の形と、一筆書きできない正方形に対角線を2本引いた形を並べた図

点は、左が屋根のてっぺんを入れて5つ、右も対角線の交わるところを入れて5つです。線もひとつながりになっています。違っているのは線のつなぎ方だけです。

ですが、ペンを離さずになぞってみると、左は全部の線をなぞりきれて、右はどうやってもどこかが残ります。

同じ線を2回なぞらずに全部なぞりきることを、一筆書きといいます。この差がどこから来るのかを見ていきます。

まず、一筆書きのきまりを決めておきます

数える前に、条件をはっきりさせておきます。

  • ペンを紙から離さない
  • 同じ線は2回なぞらない
  • 同じ点は何度通ってもよい

点は何度通ってもよい、というのがポイントです。線には「1回だけ」という制限がありますが、点にはありません。

通り道になる点は、線を2本ずつ使います

ペンが線の上を進んで、ある点にたどり着いたとします。

その点でペンを離せないので、次はどれかの線を選んで出ていくことになります。

点に入る線と出る線が2本セットで使われ、同じ点を2回通ると4本になることを示した図

入るのに1本、出るのに1本。1回通るだけで、その点に集まっている線を2本使います。

同じ点をもう一度通れば、また入って出るので、さらに2本です。

つまり、途中の通り道として使われる点は、線を2本・4本・6本と、いつも2本ずつ使っていきます。

一筆書きができたということは、その点に集まっている線を全部使いきったということです。

2本ずつ使って全部なくなるのなら、もともとの本数は偶数だったことになります。2つずつのペアが作れる数が偶数、という話とそのままつながります。

出発点と終わりの点だけは、事情が違います

ただし、すべての点が通り道になるわけではありません。

書き始める点では、入ってこないまま出ていきます。書き終わる点では、入ったきり出ていきません。

出発点は出る線だけ、通り道の点は入る線と出る線、終わりの点は入る線だけであることを並べた図

出発点は「出る」だけの線が1本、終わりの点は「入る」だけの線が1本、相手のいないまま残ります。

その点を途中で通り道としても使えば、そのたびに2本ずつ増えていきます。最初の1本が余ったままなので、集まる線の数はずっと奇数のままです。

線が奇数本集まっている点は、出発点か終わりの点にしかなれません。

書き始めと書き終わりが同じ点になる場合は、出る1本と入る1本がそろうので、その点も偶数になります。

だから、奇数の点を数えれば見分けられます

ここから先は、線が奇数本集まっている点を、短く「奇数の点」と呼びます。

出発点は1つ、終わりの点も1つです。

なので、奇数の点は多くても2個までしかありません。3個以上(3個そのものもふくみます)あると、その時点で一筆書きはできないことになります。

まとめると、こうなります。

  • 奇数の点が0個:どの点から書き始めても、その点に戻ってきます
  • 奇数の点が2個:その一方から書き始めると、もう一方で終わります
  • 奇数の点が4個以上:一筆書きはできません

奇数の点が1個や3個になることはありません。奇数の点は、いつでも偶数個ずつ現れます。

なお、この見分け方は、線をたどっていけばどの線にも行ける形が前提です。離れた場所に別の形があると、そこへペンを飛ばせないので、数える前から書けません。

さっきの2つの形で数えてみます

最初に出てきた2つの形に、それぞれの点へ集まる線の本数を書きこみます。

家の形と正方形に対角線を引いた形に、各点へ集まる線の本数を書きこみ、奇数を赤で示した図

赤い数字が、奇数の点です。

家の形は、屋根の下にある左右の角が3本ずつ、下の2つの角と屋根のてっぺんが2本ずつです。奇数の点は2個なので、3本の角のどちらかから書き始めれば、もう一方の角で終わります。

正方形に対角線を2本引いた形は、4すみがどれも3本で、真ん中の交点が4本です。奇数の点は4個あるので、書けません。

点の数はどちらも5つですが、線のつなぎ方が変わると本数の偶数・奇数が変わります。なぞる前に判定できるのは、ここを数えているからです。

ポイント

  • 点に入ったら必ず出るので、通り道になる点は線を2本ずつ使います。
  • だから通り道の点に集まる線の数は偶数、出発点と終わりの点だけが奇数になれます。
  • 奇数の点が0個か2個なら一筆書きができて、4個以上あるとできません。
  • 奇数の点が2個のときは、その点から書き始めます。

練習問題

【練習問題】①

下の図の形は、一筆書きできますか。

長方形に対角線を1本引いた形

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答え:できます

線が3本集まっているのは、対角線の両はしにある2つの点だけです。残りの2つの点は2本ずつなので、奇数の点は2個です。

3本集まっている点のどちらかから書き始めると、もう一方の点で終わります。

【練習問題】②

下の図の星の形は、一筆書きできますか。

線5本で描いた星形五角形。とがった頂点5つと内側の交点5つに点が付いている

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答え:できます

とがった5つの頂点は2本ずつ、内側で線が交わる5つの点は4本ずつです。奇数の点は0個になります。

奇数の点が0個のときは、どの点から書き始めても、最後はその点に戻ってきます。

【練習問題】③

下の図の形を一筆書きするには、ア〜カのどの点から書き始めればよいですか。

長方形を横線で上下に分けた形。6つの点にアからカのラベルが付いている

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答え:ウかエ

ウとエには、たての線2本と真ん中の横線で、線が3本集まっています。ほかの4つの点は2本ずつです。

奇数の点が2個のときは、その一方から書き始めて、もう一方で終わります。ウから始めればエで、エから始めればウで終わります。

まとめ

一筆書きできるかどうかは、実際になぞってみなくても、点に集まる線の数を数えれば分かります。

理由は「点に入ったら出る」の一言に集まっていて、通るたびに、まだ使っていない線を2本ずつ使っていきます。だから通り道の点は偶数になります。

出発点と終わりの点だけが、相手のいない線を1本かかえたまま奇数になります。

形を見て線の本数を数える、という手つきは、多角形の対角線の本数を出すときにも出てきます。図の上で数えると、なぜその式になるのかが見えやすくなりますよね。

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