向かい合う角(対頂角)はなぜ同じ?「180°のルール」から考えよう
2本の直線が交わると、その交点に4つの角ができます。
このうち、向かい合っている角どうしを「対頂角」といいます。角は4つあるので、対頂角の組も2つできます。
対頂角は、必ず同じ大きさになります。でも「形がそう見えるから」とか「そういう決まりだから」で済ませてしまいがちですよね。
ここは「直線は180°」というルールだけで説明がつきます。
「お隣さん」を共通にして考えてみる

図のように、角㋐と角㋑が向かい合っているバツ印を考えてみます。その隣にある角を㋒としましょう。
ここで、1本の直線に注目してみます。
まず直線①です。角㋐と角㋒は、どちらも直線①の下側に並んでいます。2つを合わせると、ちょうど直線①が1本ぶんになります。直線の角度は180°なので、
角㋐ + 角㋒ = 180°
次に直線②です。角㋑と角㋒は、直線②の右側に並んでいます。こちらも合わせると直線②が1本ぶんです。だから、
角㋑ + 角㋒ = 180°
角㋐も角㋑も、どちらも角㋒と足したら180°になるんです。
式を入れ替えてみると、もっとはっきりします。
- 角 ㋐ = 180° - 角㋒
- 角 ㋑ = 180° - 角㋒
右側の計算式が、どちらもまったく同じになりました。
どちらも、同じ180°から、同じ角㋒を引いています。
だから、残った角㋐と角㋑も同じ大きさになります。
もう1組の対頂角(角㋒と、その向かい側の角)も、同じやり方で確かめられます。どちらも角㋐と足して180°になるからです。
交わる線が直線じゃないと使えない
直線が交わってできる向かい合った角が対頂角なので、交わったのが直線同士じゃないと対頂角は生まれません。

図のように、直線①に対して②は直線ではないので、㋐と㋑は対頂角ではありません。
なぜ使えなくなるのかは、さっきの式を見ると分かります。㋐と㋑が等しいと言えたのは、どちらも「180°から㋒を引いた残り」だったからです。
ところが②が折れていると、㋑と㋒を合わせても直線1本ぶんになりません。図の破線が、②がまっすぐだった場合の向きです。実際の②はそこから傾いているので、
角㋑ + 角㋒ = 180°
この式が成り立たなくなります。すると㋑は「180°から㋒を引いた残り」ではなくなり、㋐と同じ大きさになる理由も消えてしまいます。
対頂角が使えるかどうかは、角の見た目ではなく、交わっている2本が直線かどうかで決まります。
ポイント
練習問題
【練習問題】①
下の図で、角㋐は何度ですか。

タップで答えを見る
答え:60°
角㋐は60°の角と向かい合っています。2直線が交わってできる向かい合う角(対頂角)は、どちらも隣の角と足して180°になるので、等しくなります。
【練習問題】②
下の図で、角㋐と角㋑はそれぞれ何度ですか。

タップで答えを見る
答え:角㋐は50°、角㋑は130°
角㋐は130°の隣にあります。角㋐と130°の角は1本の直線の上に並んでいて、合わせると直線1本ぶんになります。だから足すと180°です。180° - 130° = 50° で、角㋐は50°になります。
角㋑は130°と向かい合っているので対頂角です。130°と同じ大きさになります。
【練習問題】③
下の2つの図のうち、角㋐と角㋑が必ず等しいと言えるのはどちらですか。理由も考えてみましょう。

タップで答えを見る
答え:あ
「あ」は2本とも直線なので、角㋐と角㋑は対頂角です。どちらも下の角と足して180°になるため、等しくなります。
「い」は、右上へのびる線が交点のところで折れていて、1本のまっすぐな線になっていません。角㋑は「180°から同じ角を引いた残り」という関係から外れてしまうので、角㋐と等しいとは言えません。
発展問題
ここからは、対頂角と直線は180°の2つを組み合わせて使います。線が3本になると角の数も増えますが、たどる道すじは同じです。
【発展問題】①
下の図で、3本の直線が1点で交わっています。

(1) 角㋐は何度ですか。
(2) 角㋑は何度ですか。
タップで答えを見る
答え:(1) 60° (2) 120°
(1)
まず見るのは、横にのびる直線より下側です。ここには50°の角、真ん中の角、70°の角が横に並んでいて、数値が分かっているのは左と右の2つです。
3つ合わせると、横にのびる直線が1本ぶんになります。だから足すと180°です。
180° - 50° - 70° = 60°
真ん中の角が60°と分かりました。この角と㋐は、右上へのびる直線と左上へのびる直線が交わってできた向かい合う角です。対頂角なので、㋐も60°になります。
(2)
㋐と㋑は、左上へのびる直線をはさんで隣り合っています。2つを合わせると、右上へのびる直線の左側がまるごとうまるので、合わせて直線1本ぶんです。
180° - 60° = 120°
㋑は120°です。
この答えは、別の見方でも確かめられます。㋑は横にのびる直線で2つに分けられていて、上の部分は70°の角と向かい合う対頂角なので70°、下の部分は50°です。
70° + 50° = 120°
同じ答えになりました。
まとめ
対頂角は「特別なルール」ではなく、一直線が180°であることから自然に生まれる性質です。
向かい合う2つの角が、同じ角をお隣に持っている。たったそれだけのことが、必ず等しいという結果を作っています。
この考え方は、平行線の角(同位角や錯角)を理解するときにも役立ちます。とくに錯角が等しくなる理由は、この対頂角をそのまま使って説明できます。