四角形の名前は、どこで分かれているのか
4つの辺の長さがどれも同じで、4つの角がどれも直角。そんな四角形を思いうかべると、たいていは正方形が出てきます。
ここで辺だけを見ると、4つとも同じ長さです。これはひし形の条件と同じです。
角だけを見ると、4つとも直角です。こちらは長方形の条件と同じになります。
形は1つのままなのに、当てはまる名前が増えていきます。四角形の名前が何で決まっているのかを見ていきます。

四角形の名前は、満たしている条件で決まる
四角形には、台形・平行四辺形・長方形・ひし形・正方形といった名前がついています。
この5つは、名前を決めている条件がそれぞれ違います。

台形は、向かい合う1組の辺が平行な四角形です。
平行四辺形は、向かい合う2組の辺が平行になっています。平行な組が1つ増えた形です。
長方形の条件は角のほうにあって、4つの角がどれも直角です。辺の長さについては、何も決めていません。
ひし形の条件は辺のほうで、4つの辺がどれも同じ長さになっています。角については決めていません。
正方形は、角の条件と辺の条件の両方を持っています。
名前は見た目の印象ではなく、こうした決まりで分かれています。条件さえ満たしていれば、その名前で呼べます。
正方形は、長方形の条件もひし形の条件も満たしている
最初の正方形にもどってみます。
角を1つずつ確かめると、4つとも直角です。これは長方形の条件そのものなので、正方形は長方形の条件を満たしています。
辺を1つずつ確かめると、4つとも同じ長さです。こちらはひし形の条件なので、ひし形の条件も満たしています。
つまり正方形は、長方形でもあり、ひし形でもあるということになります。
「正方形という名前がついているのだから、長方形ではない」と考えたくなりますが、名前を1つしか付けてはいけない、という決まりはありません。条件を満たしていれば、どちらの仲間にも入ります。
条件を足していくと、仲間の関係が見えてくる
台形に平行な辺の組をもう1つ足すと、平行四辺形になります。
ここから先は、その平行四辺形を出発点にすると関係が並べやすくなります。

平行四辺形に「4つの角を直角にする」を足すと、図の左側の長方形になります。
同じ平行四辺形に「4つの辺を同じ長さにする」を足すと、図の右側のひし形になります。
そして長方形に「4つの辺を同じ長さにする」を足すと正方形、ひし形に「4つの角を直角にする」を足しても正方形です。
左の道を通っても、右の道を通っても、着く先は同じ正方形になります。角の条件と辺の条件、その2つがそろった形が正方形だからです。
「長方形はぜんぶ正方形」とは言えない理由
ここまでの話は、逆向きには使えません。

たて3cm・よこ5cmの長方形は、4つの角がどれも直角なので、長方形の条件を満たしています。ですが辺の長さは3cmと5cmで違うので、正方形の条件は満たしていません。
ひし形も同じです。4つの辺の長さがそろっていても、角が直角とは限りません。
条件を足すほど、その名前に当てはまる形はせまくなっていきます。正方形は条件が2つそろった形なので、長方形の中の一部、ひし形の中の一部ということになります。
なので「正方形は長方形の仲間」とはいえても、「長方形は正方形の仲間」とはいえません。行きは通れて、帰りは通れない関係です。
ポイント
- 四角形の名前は、その形が満たしている条件で決まっています。
- 長方形の条件は「4つの角がどれも直角」、ひし形の条件は「4つの辺がどれも同じ長さ」です。
- 正方形は両方の条件を満たしているので、長方形でもあり、ひし形でもあります。
- 逆に、長方形やひし形が正方形になるとは限りません。条件が1つ足りないためです。
練習問題
【練習問題】①
正方形は、長方形の仲間といえますか。理由も考えてみてください。
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答え:いえます
長方形の条件は、4つの角がどれも直角であることです。
正方形の4つの角はどれも直角なので、この条件を満たしています。
【練習問題】②
たて3cm・よこ5cmの長方形は、正方形といえますか。
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答え:いえません
正方形には、4つの辺がどれも同じ長さという条件もあります。
この長方形はたてが3cm、よこが5cmで長さが違うので、その条件を満たしていません。
【練習問題】③
ひし形は正方形の仲間といえますか。また、正方形はひし形の仲間といえますか。
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答え:ひし形は正方形の仲間とはいえませんが、正方形はひし形の仲間といえます
ひし形の条件は、4つの辺が同じ長さであることだけです。角が直角とは限らないので、正方形になるとは限りません。
正方形は4つの辺がどれも同じ長さなので、ひし形の条件を満たしています。
まとめ
四角形の名前は、その形が満たしている条件で決まっています。長方形は角の条件、ひし形は辺の条件、正方形はその両方です。
正方形は角も辺も条件を満たしているので、長方形の仲間にも、ひし形の仲間にも入ります。名前が1つに決まらないのは、条件を2つとも持っているからです。
反対に、長方形やひし形は条件を1つしか持っていないので、正方形になるとは限りません。仲間分けの矢印が一方通行なのは、この条件の数の違いから来ています。
平行四辺形から条件を足していく順番で並べると、5つの四角形がどうつながっているのかが見えてきます。