立体を切ると、切り口はどんな形になるのか
立体を平らに切ると、切ったところに新しい面ができます。
この面のことを、切り口(断面)と呼びます。
切り口の形は、立体の種類と切る向きで変わります。
下の図は、直方体を底面と平行に切ったものです。
何が変わって、何が変わっていないのかを見ていきます。

切ると上下の2つに分かれますが、切る前の立体が直方体だったことは変わりません。
変わったのは、中に新しく切り口の面ができたことです。
直方体は、切る向きで切り口が変わる
直方体を水平に切ると、切り口は長方形になります。
上の面や底の面と同じ形がそのまま出てきます。
では、向きを変えて斜めに切るとどうなるでしょうか。

この向きで斜めに切ると、切り口は平行四辺形になります。
同じ直方体でも、切る向きが変わると切り口の形も変わります。
ここがおもしろいところで、立体は1つでも、切り口は1種類とは限りません。
切り口は、面と面が交わったところにできる
向きを変えただけで形が変わるのは、切り口の辺ができる場所が決まっているからです。
切り口の辺は、切った面と、立体のもとの面が交わったところにできます。
つまり、切るときに通った面の数だけ、辺ができます。
上の斜め切りの図では、切り口の辺が4本あります。
この4本は、直方体の前・後ろ・左・右の面を通ったときにできた線です。
ここで効いてくるのが、直方体の向かい合う面が平行だということです。
前の面と後ろの面は平行なので、そこにできる2本の線も平行になります。
左の面と右の面でも、同じことが起きます。
2組の辺がそれぞれ平行になるので、切り口は平行四辺形になります。
この見方だと、切る前に「どの面を通るか」を数えるだけで、切り口の形の見当がつきます。
3つの面を通れば辺は3本で三角形、4つの面を通れば辺は4本で四角形です。
円柱は、切り口が3種類も出てくる
切る向きで切り口が変わるのは、円柱でもっとはっきりします。

水平に切ると、切り口は円です。
上の丸い面と同じ形が出てきます。
斜めに切ると、円が引きのばされたような楕円になります。
底面の円の中心を通るように縦にまっすぐ切ると、今度は丸ではなく長方形が出てきます。
ここでは、1つの円柱から、円・楕円・長方形という3つの切り口を見てみました。
立体を切るときは、形だけでなく「どの向きで切るか」も一緒に見ると、切り口が予想できます。
ポイント
- 立体を平らに切ると、切ったところに新しい面(切り口)ができる
- 切り口の辺は、切った面と立体のもとの面が交わったところにできる
- 向かい合う面が平行だから、斜めに切った切り口の辺も平行になる
- 直方体:底面と平行に切ると長方形、4つの側面を通る向きで斜めに切ると平行四辺形
- 円柱:底面と平行なら円、斜めなら楕円、底面の円の中心を通る縦切りなら長方形
水を入れると、水面はどうなるのか
立体の問題には、形を切るものだけでなく、水を入れて水面の高さを考えるものもあります。
まず、水が入った入れものに、別のもの(図の「物体」)をしずめてみます。

ものを沈めると、水面が上がります。
水の量は増やしていないのに、水面だけが上がっています。
これは、沈めたものが、それまで水があった場所を取ってしまうからです。
場所を追い出された水は、上へ回るしかありません。
その分だけ、水面が上がります。
ここでは、ものが全部水の中に入っていて、水はあふれていないものとして考えます。
上がる高さは、かさと底面積で決まる
追い出された水のかさは、沈めたもののかさと同じです。
その水が、入れものの底の広さいっぱいに広がって、水面の上に足されます。
なので、底から上まで同じ太さのまっすぐな入れものなら、上がる高さは「沈めたもののかさ ÷ 入れものの底面積」で出せます。
たとえば、底面積が100cm²の入れものに、かさが200cm³のものを沈めたとします。
200÷100で、水面は2cm上がります。
同じものを沈めても、入れものが細ければ水面は大きく上がり、太ければ少ししか上がりません。
底の広さで、上がり方が変わります。
容器を傾けても、水面は水平のまま
今度は、ものを入れるのではなく、入れものごと傾けてみます。

入れものは斜めになっていますが、水面は斜めになりません。
傾けても、水面はまっすぐ水平のままです。
水の量は変わっていないので、低くなった側に水が多く集まります。
そのため低い側は水が深く、高い側は浅くなりますが、水面そのものはいつでも水平です。
入れものがどんな向きになっても水面が水平になる、というのは、水深の問題を考えるときの手がかりになります。
ポイント
- 水にものを沈めると、追い出された水が上に回って水面が上がる
- 底から上まで同じ太さの入れものなら、上がる高さは「かさ ÷ 底面積」で出せる
- 入れものを傾けても、水面はいつでも水平のまま
- 傾けると低い側は深く、高い側は浅くなるが、水面は水平
まとめ
切る問題では、同じ直方体でも向きひとつで長方形にも平行四辺形にもなりました。
円柱では、円・楕円・長方形の3つを見てみました。
形がちがって見えても、切り口の辺は「切った面と立体の面が交わったところ」にできる、という点は変わりません。
どの面を通るかを数えれば、形の見当がつきます。
水の問題では、沈めたものの分だけ水面が上がり、まっすぐな入れものならその高さはかさと底面積から出せました。
傾けても、水面だけは水平のまま変わりません。
立体の問題で迷ったときは、「何が変わって何が変わらないか」で状況を整理してみると、手がかりがつかみやすくなります。