分数どうしのかけ算をすると何が起きているのか
2/3 × 3/4 のような、分数と分数をかける式があります。
たし算のときは分母をそろえる作業が必要でしたが、かけ算ではそろえずにそのまま計算を進めます。
分子どうし、分母どうしをそれぞれかけるだけで答えが出ますが、なぜその手順で正しい答えになるのかは、あらためて考えてみると気になるところです。
今回は、面積図を使ってその理由を確かめていきます。
分数×分数の式を見てみる
2/3 × 3/4 を計算してみます。
分子どうしをかけると、2×3=6になります。
分母どうしをかけると、3×4=12になります。
2/3 × 3/4 は 6/12 になり、約分すると 1/2 です。
手順としてはこれだけですが、この計算がなぜ正しいのか、図を見ながら確かめてみます。
面積図でかけ算の仕組みを確かめる

1辺の長さが1の正方形を用意します。この正方形の面積を1とします。
かけ算は「たて×よこ」で長方形の面積を求める計算と同じなので、たてに2/3、よこに3/4をあてはめて考えます。
正方形をよこに4等分するのは、よこの分数の分母が4だからです。たてに3等分するのも、たての分数の分母が3だからです。
分母は「全体をいくつに分けたか」を、分子は「その中のいくつ分か」を表しています。
正方形をよこに4等分、たてに3等分すると、同じ大きさのマスが12個できます。
たての2/3(上から2行分)と、よこの3/4(左から3列分)が重なる部分に色をつけると、色のついたマスは3列×2行で6個になります。
正方形全体は12マスなので、色のついた部分の面積は 6/12 です。正方形の1辺の長さが1なので、マスの個数の割合が、そのまま面積の広さを表しています。
この6/12は、たての2/3とよこの3/4をかけた面積そのものです。
2/3 × 3/4 という式は、正方形の面積のうち「たてが2/3、よこが3/4にあたる部分」の広さを求めていることになります。
分子どうし・分母どうしをかけているのは、たての等分数とよこの等分数、それぞれの重なった部分の個数を数えているためです。
たてとよこを入れ替えて 3/4 × 2/3 の面積図をつくっても、色のついたマスは同じ6個になります。かける順番を変えても、答えは変わりません。
ポイント
- 分数×分数は、分子どうし・分母どうしをそれぞれかける。
- 面積図で見ると、たてとよこの分数が重なった部分の面積を求めていることが分かる。
- 答えが約分できるときは、最後に約分して簡単な形にする。
練習問題
【練習問題】①
1/2 × 2/5 を計算してみましょう。
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答え:1/5
分子どうしをかけると 1×2=2 です。分母どうしをかけると 2×5=10 です。1/2 × 2/5 は 2/10 になり、約分すると 1/5 です。
【練習問題】②
下の面積図で、たては全体の2/3、よこは全体の3/5の位置まで色がぬられています。色がぬられた部分の面積を、分数のかけ算の式で表しましょう。

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答え:2/3 × 3/5 = 6/15(約分すると2/5)
たての2/3とよこの3/5が重なった部分なので、式は 2/3 × 3/5 です。分子どうしをかけると 2×3=6、分母どうしをかけると 3×5=15 になるので、6/15 です。約分すると 2/5 です。
【練習問題】③
3/4 × 2/9 を計算してみましょう。
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答え:1/6
分子どうしをかけると 3×2=6 です。分母どうしをかけると 4×9=36 です。3/4 × 2/9 は 6/36 になり、約分すると 1/6 です。この約分は、通分と約分はなぜ必要?分数をそろえる・簡単にする仕組みで出てきた「分子と分母を同じ数でわる」考え方と同じです。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
ある学校の児童のうち、2/3が町内に住んでいます。町内に住んでいる児童のうち、3/5が歩いて通学しています。
(1) 町内に住んでいて歩いて通学している児童は、全校児童の何分のいくつですか。
(2) 全校児童が360人のとき、町内に住んでいて歩いて通学していない児童は何人ですか。
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答え:(1) 2/5 (2) 96人
(1) 最初に見るのは、「3/5」が何をもとにした割合なのかです。3/5は全校児童ではなく、「町内に住んでいる児童」をもとにしています。
町内に住んでいる児童は全校の2/3なので、歩いて通学している児童は「全校の2/3のうちの3/5」にあたります。式は 2/3 × 3/5 で、分子どうしをかけると 2×3=6、分母どうしをかけると 3×5=15 になり、6/15 を約分すると 2/5 です。
かけ算でいいのは、面積図で「たての2/3の範囲の中から、さらに3/5を取り出す」形と同じになるからです。割合は「比べる量=もとにする量×割合」で表せるので、もとにする量が2/3に変わっても、同じようにかけ算で求められます。この関係は、割合ってそもそも何?「比べる量」と「もとにする量」の関係で整理しています。
(2) 手がかりは(1)の答えです。町内に住んでいる児童は全校の2/3、そのうち歩いて通学している児童は全校の2/5と、どちらも全校児童をもとにした分数になっています。
もとにする量がそろっているので、引き算ができます。2/3 - 2/5 は通分すると 10/15 - 6/15 = 4/15 です。通分のしかたは分数のたし算はなぜ通分が必要なのかと同じです。
全校児童360人の4/15は、360÷15=24、24×4=96 で96人です。人数で確かめると、町内に住んでいる児童は360人の2/3で240人、歩いて通学している児童は360人の2/5で144人、240-144=96 となり、同じ人数になります。
まとめ
分数×分数は、分子どうし・分母どうしをそれぞれかけて計算します。
面積図で見ると、この計算はたての分数とよこの分数が重なった部分の面積を求めていることが分かりました。
この面積を分けて考えるやり方は、計算を楽にする分配法則のしくみでも使われている考え方です。
分数のわり算にも同じように面積図で確かめられる仕組みがあるので、分数のわり算でなぜひっくり返してかけるの?面積図で整理してみたもあわせて見てみると、分数の計算どうしのつながりが見えてきます。
分数×分数の式を見たら、まずは面積図の正方形を思い浮かべて、たてとよこの重なりを考えてみてください。