通分と約分はなぜ必要?分数をそろえる・簡単にする仕組み
1/2 と 2/4 と 3/6。分母も分子もバラバラなのに、この3つの分数はすべて同じ大きさです。
分子と分母に同じ数をかけても、同じ数でわっても、分数の大きさは変わりません。でも、分母が違うままでは足し算や引き算ができません。
この「大きさが変わらない」性質を使って、分母をそろえる操作が通分、分数をより簡単な形にする操作が約分です。順番に見ていきます。
分母がちがう分数は、そのままでは足せない
1/2 と 2/4 と 3/6 をバーの図で並べてみます。

色のついた部分の長さがぴったりそろっています。分母と分子の数は違っても、大きさとしては同じです。
分子と分母に同じ数をかけると、分割の数は増えますが、全体に対する割合は変わりません。1/2 の分子・分母に2をかければ 2/4、3をかければ 3/6 になりますが、どれも同じ大きさのままです。
では、1/2 + 1/3 を計算しようとするとどうなるでしょうか。
1/2 は「2等分のうち1つ」、1/3 は「3等分のうち1つ」。分け方の単位が違うので、このまま分子だけを足すことはできません。
足し算や引き算をするには、分母をそろえて「同じ単位」にする必要があります。これが通分です。
分母がちがうと足せない理由は、分数のたし算はなぜ通分が必要なのかのほうで、棒の図を使って整理しています。
通分──分母を最小公倍数にそろえる
1/2 と 1/3 の分母をそろえてみます。
2 と 3 の最小公倍数は 6 なので、どちらも分母を 6 にします。12 や 18 など、ほかの公倍数でも通分はできますが、いちばん小さい数にしておくと計算が楽になります。

1/2 は、分子・分母に 3 をかけて 3/6 になります。1/3 は、分子・分母に 2 をかけて 2/6 になります。
分母が 6 にそろったので、3/6 + 2/6 = 5/6 と計算できるようになりました。
通分のポイントは、分子と分母に同じ数をかけているだけなので、分数の大きさは変わっていないというところです。分母をそろえるために形を変えているだけで、もとの分数と同じ大きさのまま計算に持ち込めます。
約分──分子と分母を同じ数でわって簡単にする
今度は逆に、4/6 という分数を見てみます。
4 と 6 には共通する約数があります。どちらも 2 でわり切れるので、分子・分母を 2 でわってみます。

4 ÷ 2 = 2、6 ÷ 2 = 3 で、4/6 は 2/3 になりました。
同じ数でわっているので、大きさはそのままです。数が小さくなって見やすくなるので、答えを書くときに約分しておくと分かりやすくなります。
共通する約数の中でいちばん大きいもの(最大公約数)でわると、一度で最も簡単な形にできます。
約分をすませた形は、その分数を小数に直すときにも効いてきます。分母が2と5だけでできていればわり切れて、3や7が混じるとくり返す小数になります。
ポイント
- 分子と分母に同じ数をかけても、同じ数でわっても、分数の大きさは変わりません。
- 通分は、分母を最小公倍数にそろえる操作です。足し算・引き算のときに使います。
- 約分は、分子と分母を最大公約数でわって簡単にする操作です。
練習問題
【練習問題】①
1/3 と 1/4 を通分してください。
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答え:4/12 と 3/12
3 と 4 の最小公倍数は 12 です。1/3 は分子・分母に 4 をかけて 4/12、1/4 は分子・分母に 3 をかけて 3/12 になります。
【練習問題】②
8/12 を約分してください。
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答え:2/3
8 と 12 の最大公約数は 4 です。分子・分母を 4 でわると、8 ÷ 4 = 2、12 ÷ 4 = 3 で、2/3 になります。
【練習問題】③
1/4 + 1/6 を計算してください。
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答え:5/12
4 と 6 の最小公倍数は 12 です。1/4 を 3/12、1/6 を 2/12 に通分すると、3/12 + 2/12 = 5/12 になります。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
2/3、3/4、5/8 の3つの分数を、小さいほうから順に並べてください。
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答え:5/8、2/3、3/4
分母が 3・4・8 とバラバラなので、このままでは大小をくらべられません。まず分母をそろえます。
3 と 4 と 8 の最小公倍数は 24 です。2/3 は分子・分母に 8 をかけて 16/24、3/4 は 6 をかけて 18/24、5/8 は 3 をかけて 15/24 になります。
分母がそろえば、あとは分子だけを見れば大小が決まります。分子は 15、16、18 の順に大きくなるので、小さいほうから 5/8、2/3、3/4 です。
分子と分母に同じ数をかけても分数の大きさは変わらないので、通分した形でくらべた順番は、もとの分数の順番とそのまま同じになります。通分は足し算・引き算のための手続きに見えますが、大きさをくらべるときにも同じように効きます。
【発展問題】②
約分すると 3/5 になる分数があります。この分数の分子と分母を足すと 40 になります。もとの分数を求めてください。
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答え:15/25
手がかりは「約分すると 3/5 になる」というところです。約分は分子と分母を同じ数でわる操作なので、逆から見れば、もとの分数は 3 と 5 に同じ数をかけた形をしています。
かけた数を □ とすると、分子は 3×□、分母は 5×□ です。この2つを足すと、3×□ + 5×□ = 8×□ になります。
分子と分母の和が 40 なので、8×□ = 40 です。□ は 40 ÷ 8 = 5 になります。
分子は 3×5 = 15、分母は 5×5 = 25 なので、もとの分数は 15/25 です。
確かめてみます。15 と 25 の最大公約数は 5 なので、分子・分母を 5 でわると 3/5 に戻ります。和も 15 + 25 = 40 で合っています。
和の 40 を「8つ分」と見て1つ分を出す進め方は、比例配分とまったく同じ形です。
まとめ
通分と約分は、どちらも「分子と分母に同じ操作をしても、分数の大きさは変わらない」という性質を使っています。
通分は分母をそろえて足し算・引き算ができるようにする操作で、約分は分数をより簡単な形にする操作です。やっていることは逆方向ですが、もとになっている考え方は同じです。
分数のわり算でも、単位をそろえてから比べる場面が出てきます。通分の考え方は、分数の計算全体の土台になっています。