小数のわり算で、小数点を動かしていい理由
6.4÷1.6のような小数のわり算を筆算するとき、わる数の小数点を右にずらして整数にしてから計算します。
わられる数の小数点も同じだけ動かして64÷16にすると、答えは4になります。
小数点の位置を変えているのに、もとの式の答えと同じになるのはなぜでしょうか。
小数点を動かして計算する具体例
小数のわり算を筆算するときは、まずわる数を整数に直します。
6.4÷1.6であれば、わる数の1.6を10倍して16にします。このとき、わられる数の6.4も同じように10倍して64にします。
式全体を見ると、6.4÷1.6が64÷16に変わっています。わる数とわられる数の両方を、同じ桁数だけ動かしているところがポイントです。
動かす桁数は、わる数を整数にするために必要な桁数で決まります。
3.5÷0.25であれば、わる数の0.25を整数にするには2桁動かす必要があるので、わられる数の3.5も同じく2桁動かします。
わられる数の3.5は小数点以下1桁しかないので、0を1つ足して3.50としてから動かすと、350÷25になります。
2つの例を並べると、動かす桁数のちがいが見えます。

なぜ小数点を動かしても答えは同じになるのか
小数点を動かすというのは、わられる数とわる数を10倍や100倍していることと同じです。
わり算には、わられる数とわる数の両方に同じ数をかけても、答え(商)が変わらないという性質があります。
たとえば12÷4を考えます。答えは3です。
わられる数とわる数の両方を10倍すると、120÷40になります。これも計算すると3になります。
さらに100倍して1200÷400にしても、答えはやはり3です。
わられる数とわる数を同じ倍率で拡大しても、2つの数の関係(何倍になっているか)は変わらないため、商も変わりません。
小数のわり算で小数点を動かす操作は、この性質を使っています。わる数を10倍・100倍して整数にするとき、わられる数も同じ倍率で拡大しているので、商はもとの式と同じままになります。
この考え方は、通分と約分で、分数の分母と分子に同じ数をかけても分数の大きさが変わらないことと同じ発想です。
同じ小数でも、かけ算のときは小数点の動かし方がちがいます。そちらは小数×小数、小数点はどこに動く?で整理しています。
分数のわり算で分子と分母をひっくり返してかける計算も、分数のわり算でなぜひっくり返してかけるの?で整理した内容とつながっています。
ポイント
・小数のわり算は、わる数が整数になるように小数点を動かしてから計算します。
・わられる数の小数点も、わる数と同じ桁数だけ動かします。
・わられる数とわる数の両方を同じ倍率で拡大しても、商は変わりません。
・この性質があるため、小数点を動かしても答えは変わりません。
練習問題
【練習問題】①
6.4 ÷ 1.6 を計算してください。
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答え:4
わられる数とわる数の両方の小数点を1桁ずつ右に動かすと、64 ÷ 16 になります。小数点を動かしても商は変わらないので、64 ÷ 16 の答えがそのまま元の式の答えになります。
【練習問題】②
3.5 ÷ 0.25 を計算してください。
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答え:14
わる数の0.25は小数点以下2桁なので、両方の小数点を2桁動かします。わられる数の3.5は小数点以下1桁しかないので、0を1つ足して3.50として動かすと、350 ÷ 25 になります。
【練習問題】③
0.72 ÷ 0.08 を計算してください。小数点を動かしたあとの式も書いてください。
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答え:72 ÷ 8 = 9
わる数の0.08は小数点以下2桁なので、両方の小数点を2桁動かします。わられる数の0.72も小数点以下2桁なので、そのまま72になります。72 ÷ 8 の答えである9が、元の式の答えになります。
まとめ
6.4÷1.6のような小数のわり算は、わる数の小数点を動かして整数にし、わられる数の小数点も同じだけ動かしてから計算します。
わられる数とわる数の両方に同じ数をかけても商が変わらないという性質があるため、小数点を動かしても答えは変わりません。
小数点を動かす操作は、この性質の上に成り立っています。
小数のわり算に迷ったときは、わられる数とわる数を同じだけ拡大しているかどうかを確かめてみてください。