同じ「2倍」でも、面積の増え方は変わる
三角形を1つ用意して、高さはそのままにしたまま、底辺だけを2倍にのばします。このとき面積は2倍になります。
次に、同じ三角形を丸ごと2倍に拡大します。辺はどれも2倍です。このとき面積は4倍になります。
どちらも「2倍」なのに、面積は2倍と4倍に分かれました。変わったのは辺ののばし方で、面積の求め方そのものは変わっていません。面積の比には出し方が2種類あって、どちらを使うかは図の形で決まります。
高さが同じ三角形は、底辺の比がそのまま面積の比になる

底辺が4cmの三角形の面積は、4×3÷2で6cm²です。
底辺が8cmの三角形の面積は、8×3÷2で12cm²です。
面積の比は6:12、簡単にすると1:2。底辺の比4:8=1:2と同じになりました。
三角形の面積は底辺×高さ÷2で求められます。高さも「÷2」も2つの三角形にまったく同じようにかかっているので、面積の比を決めているのは底辺の長さだけです。これが高さが同じ三角形の面積の比で、公式から出す比になります。
相似な三角形は、辺が2倍になると面積は4倍になる

こんどは、三角形を丸ごと2倍に拡大した場合です。
大きいほうの三角形は、各辺のまん中を結ぶと、小さい三角形4つに分かれます。青くぬった1つが、左の小さい三角形とぴったり同じ大きさです。
辺の比は1:2なのに、面積の比は1:4。ここで比が食いちがうのが、相似比と面積比の関係です。
2つの比は、どこがちがうのか

長方形にすると、ちがいがはっきりします。
たて3cm・よこ4cmの長方形は面積12cm²。よこだけを2倍の8cmにすると24cm²で、面積は2倍です。
同じ長方形のたても2倍の6cmにすると48cm²で、面積は4倍になります。
のびた向きが1方向なら2倍、2方向なら2×2で4倍。ちがいはここだけです。
公式でつくる比は、そろっている部分を手がかりにする
高さが同じ三角形どうしでは、高さがそろっているので、変わるのは底辺だけです。だから面積の比は底辺の比そのままになります。
角が1つ共通の三角形でも、その角をはさむ2つの辺の比が分かれば、面積の比が出せます。
この出し方をするとき、2つの図形は似た形でなくてもかまいません。そろっている部分さえ見つかれば、公式から比が作れます。
相似でつくる比は、たてもよこも同じ倍率で伸びている
相似な図形では、どの辺も同じ倍率で大きくなります。たての向きにも横の向きにも同じだけのびるので、面積はその倍率を2回かけた分だけ増えます。
相似比が1:2なら面積の比は1:4、1:3なら1:9、2:3なら4:9になります。
どちらの出し方を使うかの見分け方
まず、2つの図形が相似かどうかを見る

相似というのは、すべての辺が同じ倍率になっている状態のことです。図の2つは、2倍・2倍・2.4倍とそろっていないので相似ではありません。相似ではない以上、相似比から面積の比を出す方法は、この2つには使えません。
図の中にピラミッド型やリボン型が見つかれば、そこは相似です。その場合は相似比を2回かけて面積の比を出します。
相似でないときは、共通の高さや共通の角をさがす
相似が見つからなくても、あきらめる必要はありません。
2つの三角形の底辺が同じ直線の上にあって頂点が共通なら、高さがそろっています。共通の角があるときは、その角をはさむ2辺の比が分かれば使えます。
どちらも見つからないときは、比だけでは面積の比は決まりません。そのときは長さの情報をもう少し集めることになります。
ポイント
- 面積の比の出し方は2種類あります。公式からつくる比と、相似からつくる比です。
- 公式からつくる比は、高さや角がそろっている部分を手がかりにします。相似でなくても使えます。
- 相似からつくる比は、辺の倍率を2回かけます。相似比1:2なら面積の比は1:4です。
- 先に相似かどうかを確かめると、どちらを使えばよいか迷いません。
練習問題
【練習問題】①
三角形ABCの辺BC上に、点Dがあります。三角形ABDと三角形ADCの面積の比を求めましょう。

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答え:3:2
三角形ABDと三角形ADCは、底辺BDとDCが同じ直線の上にあり、頂点Aも共通です。頂点Aから直線BCまでの高さは、どちらの三角形でも同じになります。高さが同じなら面積の比は底辺の比と同じなので、6:4=3:2です。
【練習問題】②
下の2つの三角形は相似です。面積の比を求めましょう。

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答え:9:25
対応する辺の比は6:10=3:5です。相似な図形はたての向きにも横の向きにも同じ倍率で大きくなるので、面積の比は3×3:5×5=9:25になります。
【練習問題】③
三角形ABCで、DEとBCは平行です。三角形ADEと三角形ABCの面積の比を求めましょう。

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答え:1:9
DEとBCが平行なので、三角形ADEと三角形ABCはピラミッド型の相似です。ADとABの比は2:6=1:3なので、面積の比は1×1:3×3=1:9になります。ADとDBの比1:2と混ざりやすいので、くらべているのがABであることを確かめておくと安全です。
発展問題
1つの図の中に、相似でつくる比と公式でつくる比が両方出てくる問題です。(1)で出した比を(2)で使うので、順番に進めていきます。
【発展問題】①
台形ABCDで、ADとBCは平行です。対角線ACとBDが交わる点をOとします。

(1) 三角形AODと三角形COBの面積の比を求めましょう。
(2) 三角形AODと三角形AOBの面積の比を求めましょう。
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答え(1):1:4
まず見るのは、ADとBCが平行という条件です。この2本にはさまれて向かい合う三角形AODと三角形COBは、リボン型の相似になります。対応する辺はADとCBで、比は4:8=1:2です。相似な図形なので、面積の比は1×1:2×2=1:4になります。
答え(2):1:2
(1)で相似比が1:2と分かったので、ODとOBの比も1:2です。三角形AODと三角形AOBは、ODとOBをそれぞれ底辺と見ると、どちらも頂点Aから同じ高さになります。高さが同じなら面積の比は底辺の比と同じなので、1:2です。相似が使えるところと、高さの共通が使えるところが、1つの図の中で分かれています。この続きは台形の対角線が分ける4つの三角形で整理しています。
まとめ
面積の比には、公式からつくる比と、相似からつくる比の2種類があります。
高さや角がそろっているときは、公式のそろっていない部分だけを見て比が出せます。相似のときは、すべての辺が同じ倍率でのびているので、その倍率を2回かけます。
同じ「辺が2倍」でも、片方だけがのびたのか、たてもよこものびたのかで結果が変わります。図を見て先に相似かどうかを確かめておくと、どちらの比を使えばよいかで迷わなくなります。