四角形の対角線を引くと相似が見える?
ピラミッド型とリボン型は、三角形の中で相似を見つけるための基本パターンでした。
今度は三角形ではなく、平行四辺形や台形に対角線を引いてみます。
すると、四角形の中にも同じパターンの相似が現れます。「平行線があると角がそろう」という仕組みが変わらないからです。
四角形の中に隠れた相似の見つけ方と、自分で補助線を引いて相似を作る方法を見ていきます。
平行四辺形の中にリボン型が現れる

平行四辺形ABCDがあります。向かい合う辺AD(左の辺)とBC(右の辺)は平行です。
辺BCの中点をEとして、頂点Aと点Eを結びます。さらに対角線DBも引いてみます。
線分AEと対角線DBが交わった点をFとすると、△DAFと△BEFが点Fを挟んで向かい合っています。
これがリボン型です。
錯角と対頂角で角がそろう
2つの三角形が相似になる理由を、角で確認してみます。

辺ADと辺BCは平行なので、この2本の平行線を対角線DBが横切ると錯角ができます。
∠ADF=∠EBF(図の●の角)です。
線分AEも辺ADと辺BCを横切っているので、ここにも錯角が現れます。
∠DAF=∠BEF(図の×の角)。
そして交点Fでは、向かい合った角が対頂角になっています。
∠DFA=∠BFE(図の△の角)です。
2組の角がそろっているので、△DAFと△BEFは相似になります。
平行四辺形では向かい合う辺の長さが等しいので、DA=BC。EはBCの中点なので、BE=BCの半分です。
DA:BE=2:1なので、この2つの三角形の相似比は2:1になります。
台形の対角線にも同じ仕組みがある
上底と下底の間にリボン型ができる

台形ABCDを見てみます。下底ABと上底DCが平行で、下底のほうが長い形です。
ここに対角線ACとBDを両方引いて、交点をOとします。
交点Oを挟んで、上に小さな△DOC、下に大きな△AOBが向かい合っています。
台形でもリボン型が現れました。
なぜ△DOCと△AOBは相似なのか
角を確認します。

下底ABと上底DCが平行なので、対角線BDがこの平行線を横切ると錯角ができます。
∠CDO=∠ABO(図の●の角)です。
対角線ACも同じように下底ABと上底DCを横切っています。
∠DCO=∠BAO(図の×の角)。
交点Oでは対頂角で∠DOC=∠AOB(図の△の角)。
平行四辺形のときとまったく同じ流れですよね。「平行な辺の間を線が横切ると錯角ができて、交点で対頂角もできる」。このセットがそろえばリボン型の相似が成り立ちます。
台形の場合、相似比はDC:AB。上底と下底の長さの比がそのまま2つの三角形の相似比です。
ポイント
- 平行四辺形でも台形でも、平行な辺の間に線を引くとリボン型の相似ができます。
- 角がそろう仕組みは同じで、錯角と対頂角がセットで現れます。
- 台形では、上底と下底の比がそのまま相似比になります。
補助線で相似を自分から作る
平行線を引けばピラミッド型になる
ここまでは、もともと平行な辺がある四角形の中に相似を見つけてきました。
でも、平行線がはっきり見えない場面でも、自分で線を引いて相似を作ることができます。

三角形ABCがあるとします。辺AB上に点D、辺AC上に点Eをとり、辺BCと平行になるように線分DEを引きます。
頂点Aを共有する小さな△ADEが現れました。
辺DEと辺BCは平行なので、同位角のきまりから∠ADE=∠ABCです。同じように∠AED=∠ACBです。
角Aは2つの三角形で共通なので、3つの角がすべて一致します。△ADEと△ABCはピラミッド型の相似です。
辺のどこに点Dと点Eをとっても、DEをBCと平行に引きさえすればこの関係は成り立ちます。
「相似が見つからない」というときは、どこかの辺と平行な線を引けないか探してみると、ピラミッド型やリボン型が現れることがあります。
ポイント
- 辺と平行な補助線を引くと、同位角がそろってピラミッド型の相似ができます。
- 相似が見つからないときは「平行線を引けないか」を考えてみるのが基本です。
練習問題
【練習問題】①
下の図の平行四辺形ABCDで、Eは辺BCの中点です。線分AEと対角線DBの交点をFとするとき、DB=12cmならDFは何cmですか?

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答え:8cm
辺ADと辺BCを横切る錯角で、△DAFと△BEFが相似になります。平行四辺形ではDA=BCで、EはBCの中点なのでBE=BCの半分です。相似比はDA:BE=2:1なので、DF:FB=2:1になります。DB=12cmをこの比で分けると、DF=12×2/3=8cmです。
【練習問題】②
下の図の台形ABCDで、辺ABと辺DCは平行、AB=12cm、DC=8cmです。対角線ACとBDの交点をOとするとき、AO:OCは何:何ですか?

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答え:3:2
辺DCと辺ABを横切る錯角で、△DOCと△AOBが相似になります。相似比はDC:AB=8:12=2:3です。対応する辺のOC:OA=2:3なので、ひっくり返してAO:OC=3:2です。
【練習問題】③
下の図の三角形ABCで、辺AB上の点Dと辺AC上の点Eを、DE∥BCとなるように取りました。AD=4cm、DB=6cm、BC=15cmのとき、DEは何cmですか?

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答え:6cm
辺DEと辺BCは平行なので、△ADEと△ABCはピラミッド型の相似です。AB=AD+DB=4+6=10cmなので、相似比はAD:AB=4:10=2:5になります。DE:BC=2:5なので、DE=15×2/5=6cmです。
まとめ
平行四辺形や台形の中に対角線を引くと、三角形で見てきたリボン型の相似がそのまま現れます。
仕組みはどれも同じで、平行線が錯角をそろえ、交点で対頂角ができるというセットです。
もともと平行線がない場面でも、辺と平行な補助線を引けばピラミッド型の相似を作り出せます。
相似は三角形だけのものではなく、四角形の中にも、自分で引いた線の中にも隠れています。