高さが同じなら、三角形の面積は底辺の比で決まる
1つの三角形を、頂点Aから底辺の上にとった点Dまで線で結ぶと、三角形ABDと三角形ADCの2つに分かれます。
点Dを底辺の上で動かすと、左右の底辺の長さは変わります。
ですが、頂点Aから底辺までの高さは、点Dをどこに動かしても変わりません。
底辺の長さだけが変わって、高さは同じままです。
このとき、2つの三角形の面積の比がどうなるのか、底辺に注目してくらべてみます。

なぜ底辺の比が、そのまま面積の比になるのか
まず、2つの三角形の高さが本当に同じなのかを確かめます。
三角形ABDの底辺BDと、三角形ADCの底辺DCは、どちらも同じ直線BCの上にあります。
そのため、頂点Aから直線BCへ垂直に下ろした線は、2つの三角形のどちらの高さにもなります。
図の点線が1本しか引かれていないのは、そのためです。
三角形の面積は底辺×高さ÷2で求められます。
2つの三角形で高さが同じなら、面積を決めているのは底辺の長さだけです。
高さが同じままで底辺が2倍になれば、面積も2倍になります。
高さも「÷2」も、2つの三角形にまったく同じようにかかっています。
どちらにも同じようにかかる部分は、面積をくらべたときの結果を変えません。
残るのは、底辺の長さのちがいだけです。
なので高さがそろった三角形では、底辺の比がそのまま面積の比になります。
底辺の長さが等しいときは比が1:1になるので、面積も等しくなります。等積変形で形を変えても面積が変わらないのは、底辺と高さがどちらもそのままだからです。
実際の数で確かめる
底辺BDを4cm、底辺DCを6cm、高さは共通とします。
高さは2つの三角形で同じなので、ここでは仮に5cmとして面積を出してみます。
三角形ABDの面積は、4×5÷2で10cm²です。
三角形ADCの面積は、6×5÷2で15cm²です。
2つの面積の比は10:15。両方を5でわると2:3です。
これは、底辺の比4:6を簡単にした2:3と、ぴったり同じになりました。
高さを5cmではなく別の数にしても、2つの三角形の面積が同じようにかけ算されるだけなので、面積の比は2:3のまま動きません。
ポイント
- 高さが同じ三角形どうしは、面積の比が底辺の比とそのまま同じになります。
- 面積は「底辺×高さ÷2」で求められ、高さと÷2が共通なので、面積の比を決めているのは底辺の比だけです。
- 底辺が4cmと6cmで高さが同じなら、面積の比は 4:6=2:3です。
練習問題
【練習問題】①
高さが等しい2つの三角形があります。底辺はそれぞれ3cmと5cmです。面積の比はいくつですか。
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答え:3:5
高さが同じ2つの三角形では、面積の比が底辺の比とそのまま同じになります。底辺が3cmと5cmなので、面積の比は3:5です。
【練習問題】②
下の図で、三角形ABDと三角形ADCの面積の比を求めましょう。

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答え:1:2
三角形ABDと三角形ADCは、頂点Aから底辺BCまでの高さが共通です。高さが同じなので、面積の比は底辺の比と同じになります。底辺はBD=3cm、DC=6cmなので、面積の比は3:6。3:6を3でわると1:2です。
【練習問題】③
高さが等しい2つの三角形があります。底辺の比は2:5で、底辺が短いほうの面積は8cm²です。底辺が長いほうの三角形の面積は何cm²ですか。
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答え:20cm²
高さが同じなので、面積の比は底辺の比2:5と同じです。底辺が短いほうは比の2にあたり、その面積が8cm²です。比の1つ分は8÷2で4cm²。長いほうは比の5つ分なので、4×5で20cm²です。
発展問題
ここからは、この記事の知識だけでは解けない、少し手数のかかる問題です。
【発展問題】①
下の図の三角形ABCで、面積は48cm²です。点Dは辺BCの上に、点Eは線分ADの上にあり、AE:ED=3:1です。
(1) 三角形ABDの面積は何cm²ですか。
(2) 三角形ABEの面積は何cm²ですか。

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答え:(1) 16cm² (2) 12cm²
(1)で見るのは、底辺BCです。BD=4cm、DC=8cmなので、点Dは底辺を4:8=1:2に分けています。
三角形ABDと三角形ADCは、どちらも頂点Aから直線BCまでの高さが共通です。高さが同じなら面積の比は底辺の比と同じになるので、この2つの面積の比も1:2です。
三角形ABCは、この2つを合わせたものです。48cm²を1:2に分けると、1+2=3で、比の1つ分は48÷3=16cm²。三角形ABDは比の1つ分なので、16cm²になります。
(2)で見る場所は、辺BCから線分ADに移ります。ADのほうを底辺と考えます。
三角形ABEと三角形EBDは、どちらも頂点がBで、底辺にあたるAEとEDは同じ直線AD上にあります。そのため、Bから直線ADまでの高さが2つの三角形で共通になります。面積の比は底辺の比AE:ED=3:1です。
この2つを合わせると三角形ABDで、(1)より16cm²です。3+1=4なので、比の1つ分は16÷4=4cm²。三角形ABEは比の3つ分なので、4×3=12cm²になります。
面積は底辺×高さ÷2で決まるので、高さがそろってさえいれば、底辺として見る辺はBCでなくてもかまいません。頂点をAからBに変えると、ADが底辺として使えるようになります。
まとめ
高さがそろっている三角形は、底辺をくらべるだけで面積の大小や比が分かります。
面積の公式に数を入れなくても、実際の高さが分からなくても、底辺の比さえ分かれば面積の比は読み取れます。
点Dを動かして底辺を変えても、高さが同じであるかぎり、この関係は変わりません。